生徒の特技

「みんなは何の特技にした?」

ナナミの呼びかけにそれぞれの特技の発表となった。



アスカは『一カ所通路を封鎖して誰も通れなくする』

ユアは『指定した生徒から侵入者が何部屋離れているか分かる』

カナは『侵入者が過去に移動した部屋を一カ所知ることができる』



いいじゃん。

何か全員の特技を駆使すれば侵入者の行動が予測できそうである。ただどうやら特技を使うにはある程度ターンの経過が必要である。

ナナミの『一カ所指定して、そこに侵入者がいるか答えてもらえる』というのは2ターンでいいので早速使うことができる。

一番遅いカナの特技は10ターンたたないと使うことができない。


特技はもう使った方がいいのだろうか。

侵入者の1ターン目で3カ所のどこかに移動した。

2ターン目でそれぞれの場所から更に3カ所に移動できる。マップを見てみると2ターンで移動できる部屋は8部屋あることが分かった。

生徒が上に集まる作戦が上手くいっていれば『プール』か『1―C』のどちらかになっているであろう。


ここで特技を使って、見事プールに居るとか当てる事が出来たら逃げ切る可能性が高くなる。

作戦が成功していてれば当てられる可能性は2分の1。成功していなくても8分の1の確率で当てることができる。


少し迷ったがナナミは特技を使うことを宣言した。プールに侵入者がいるか教えてもらう。

このゲームを運営しているメインコンピュータからの回答は「プールにはいない」であった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る