第12話生きれない


気づくと元の世界に戻っていた、今、この世界に「敵」はいないーーはずなんだけど


それでも、感じるものがある

「ねぇ、もうやだ、やだ」


町の中で、死んでいく人がいるーー特に、江戸時代までは普通なのだろう――

道端で死んでいく人は

高額な治療を受けられずに死んでいく、一人また一人

こういうことわざが、日本にはあるーー「働かざるもの食うべからず」


おぞましい

おぞましい、おぞましいーー「アレ」金のために、人殺しをした人を見た後

なら、このことわざのおぞましさに気づく

ーーーこのことわざは、優しくはない

ニート?別にそれにきつくはない


社会で弱者だといわれるものーー「老人」だ


江戸時代農民は、だいた女も男も働き詰めだ

ーーーお乳をやる機会は一日に3回

だから、有名な人はこういった――しょうがないそれは生きる力がなかったのだと

しょうがないとあきらめるしかないほど忙しい


基本的に、毎日が忙しいと夜泣きに対して、余裕を持てないーー自分たちが寝ていたいからだ


しかし老人はどうなるー―彼らはどうなる


答え、虐待されるかーー棄てられる


このことわざはいずれそれに導く




なぜ、おとぎ話には働いている老人が多いか考えたことはあるか

ーー竹取物語、桃太郎、傘こ地蔵、

結婚していても子供がいないそれもまた多い

舌切り雀など

それどころか、独り身の場合も多い

はなさかじいさん、こぶとりじいさん、おむすびころりん

子供がいても、どこか他人任せというか、超自然的というか

桃太郎、力太郎、竹取物語

そして昔話といえば、なんとなく爺さん婆さんを連想することも多い

なんで?


答えは、「金」がなければ、死ぬまで働き続けるということがあって初めて

成り立つからだ

神や、超自然的な力がければ

はなさかじいさんは花を咲かせられないし、ここほれわんわんも長者にはなれない

舌切り雀はお土産をもらうこともなければ

桃太郎にいたっては、子と宝をもらうこともない

ない、ない、ない、

それどころか、「姥捨て山」の亜種には、子供が親を捨てーーまた子供の子供

(つまり祖父から見たーー孫)が、親を捨てた荷車を見て

「何しているんだ?」と聞き

「次はお父さんだから」と問われー―青ざめ親を迎えに言ったパターンもある


ーーそれは「食料」という問題もある

つまり、今「椎葉」村風が見てる街の景色こそがそう、

乾いた風は吹き抜けるーーそれでも、椎葉は、約束した本を買いに行く


動かない骸が叫んでいるーーー道端に倒れた子供の遺体

「もう、やだ、現代に戻りたい、戻らせてよ、ねぇ、ねぇってばあ」

「椎葉」


ーーーーーーーーーーーー夜が来る――世界は入れ替わる


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