elementals 全118首解説
解説なんてするだけ野暮かとも思ったのですが、時間がたつにつれて自分でも忘れてしまってわからなくなりそうだし、備忘もかねてこちらに書いておこうと思います。もし興味をお持ちの方がいらっしゃれば、どうぞご覧ください。
科学的知識についてはまちがった部分があるかもしれないので、お遊び程度にご理解いただければとおもいます。
【第1周期】H He
原子番号1:水素(H)
もっとも軽い元素。むかしは風船に入れたけど、危ないので今は使いません。
原子番号2:ヘリウム(He)
ヘリウムガスを吸ってしゃべると不思議な声になります。むかし流行りましたよね。
【第2周期】Li Be B C N O F Ne
原子番号3:リチウム(Li)
リチウムイオン電池は携帯機器によく使われます。
原子番号4:ベリリウム(Be)
折り句。
原子番号5:ホウ素(B)
化合物であるホウ酸を用いたホウ酸団子は、あれの駆除に使われます。あれの。
原子番号6:炭素(C)
カーボンは炭素。でもカーボン紙って最近見ませんね。
原子番号7:窒素(N)
空気の7割くらいは窒素。液体窒素をつかった美容法もあるんですよね。怖い。
原子番号8:酸素(O)
酸素と言えば呼吸。酸素と言えば酸化。
原子番号9:フッ素(F)
虫歯予防に使います。
原子番号10:ネオン(Ne)
ネオン管に使われます。ネオンサインって、今は少ないけど。
【第3周期】Na Mg Al Si P S Cl Ar
原子番号11:ナトリウム(Na)
化合物の塩化ナトリウムは食塩。涙も醤油もしょっぱい。
原子番号12:マグネシウム(Mg)
大昔(戦前とか)はカメラのストロボの代わりにマグネシウムを燃やしていたとか。
原子番号13:アルミニウム(Al)
一円玉はアルミ製。
原子番号14:ケイ素(Si)
英語でシリコン。美容整形につかわれる、いわゆる「シリコン」は、ケイ素の化合物を用いています。
原子番号15:燐(P)
燐などの化学物質が、ぼーっと光るのが、燐光。墓地などで見られた、いわゆる「ひとだま」は、遺体から出た燐が燃焼する現象だったとか、そうじゃなかったとか。
原子番号16:硫黄(S)
悪魔って、硫黄の匂いがするそうです。
原子番号17:塩素(Cl)
プールの消毒に使いますよね。あの独特の匂い。
原子番号18:アルゴン(Ar)
無色、無臭。他の元素と結びついて化合することがほとんどない。希ガスのひとつ。
【第4周期】K Ca Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr
原子番号19:カリウム(K)
ミステリーなどで用いられる毒物の代名詞、青酸カリは、カリウムの化合物。
原子番号20:カルシウム(Ca)
カルシウムと言えば牛乳。カルシウムと言えば骨。
原子番号21:スカンジウム(Sc)
名前の由来はスカンジナビア。旧ソ連の潜水艦発射ミサイルの先端部のカバーの材料として、スカンジウムの合金が使われたそうです。
原子番号22:チタン(Ti)
眼鏡のフレームの材料に使われますよね。
原子番号23:バナジウム(V)
バナジウム天然水って最近売ってます?
原子番号24:クロム(Cr)
ぴかぴかのメッキに使われる金属。
原子番号25:マンガン(Mn)
「マンガん」
原子番号26:鉄(Fe)
鉄の融点は1538度だそうです。
原子番号27:コバルト(Co)
コバルト・ブルー。コバルト・アワー。
原子番号28:ニッケル(Ni)
「ニッケル」といえば、アメリカでは5セント硬貨のことだそうですね。
原子番号29:銅(Cu)
「ぶつぞう」「どうぞう」
原子番号30:亜鉛(Zn)
何年前からでしたっけ。レバ刺しって禁止になりましたよね。レバーには亜鉛が多く含まれているとか。亜鉛不足はいろいろ健康に影響があるんだそうです。
原子番号31:ガリウム(Ga)
融点が低くて、人肌程度の温度で融けてしまいます。手品師の小道具のスプーンにも使われるそうです。来てます、来てます。
原子番号32:ゲルマニウム(Ge)
ゲルマニウム、美容に効果があるって噂がありましたよね。コロコロするやつとか。
原子番号33:ヒ素(As)
歴史の本に出てくる毒物と言えば、ヒ素っていうイメージ。
原子番号34:セレン(Se)
セレン光電池は写真撮影用の露出計や色温度計に使われるそうです。
原子番号35:臭素(Br)
「臭いの素」
原子番号36:クリプトン(Kr)
「惑星クリプトン」と言えば、スーパーマンの故郷。
【第5周期】Rb Sr Y Zr Nb Mo Tc Ru Rh Pd Ag Cd In Sn Sb Te I Xe
原子番号37:ルビジウム(Rb)
水にぬれると発火、爆発。紫色の花火を作るために化合物が使われるそうです。
原子番号38:ストロンチウム(Sr)
塩化ストロンチウムは発煙筒の赤い炎のために使われます。
原子番号39:イットリウム(Y)
折り句。
原子番号40:ジルコニウム(Zr)
人造宝石として用いられるジルコニアは、化合物の二酸化ジルコニウム。
原子番号41:ニオブ(Nb)
ブラジルが圧倒的な生産量を誇るレアメタル。最近、ブラジルから出稼ぎに来る日系の人って減ったのかな。
原子番号42:モリブデン(Mo)
モリブデン鋼は包丁の材料として使われます。
原子番号43:テクネチウム(Tc)
人工的に合成された初めての元素。「テクネ」は「テクニック」とか「テクノロジー」と同じ語源で、「人工」という意味。
原子番号44:ルテニウム(Ru)
「る手に倦む」
原子番号45:ロジウム(Rh)
ロジウムメッキをほどこしたアクセサリーは、金属アレルギーを起こしにくいそうです。
原子番号46:パラジウム(Pd)
パラジウム合金は銀歯に使われます。
原子番号47:銀(Ag)
銀=シルバー。
原子番号48:カドミウム(Cd)
カドミウムイエローは、カドミウム化合物を用いた絵の具の色。(#FAC61E)
原子番号49:インジウム(In)
語源は「インディゴ(藍)」。発光スペクトルが藍色なんだそうです。
原子番号50:スズ(Sn)
パイプオルガンのパイプには、スズの合金が使われます。
原子番号51:アンチモン(Sb)
「アンチモニー」とも呼ばれ、スズなどとの合金はさまざまな工芸品や装飾品に用いられました。
原子番号52:テルル(Te)
てるる? れるる? えるる? しぬる? まぬる?
原子番号53:ヨウ素(I)
うがい薬とか消毒薬に使われますよね。
原子番号54:キセノン(Xe)
キセノンランプは自動車のヘッドライトに使われます。
【第6周期】Cs Ba La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd Tb Dy Ho Er Tm Yb Lu Hf Ta W Re Os Ir Pt Au Hg Tl Pb Bi Po At Rn
原子番号55:セシウム(Cs)
「せし有無」
原子番号56:バリウム(Ba)
レントゲン撮影の造影剤としてつかわれるいわゆる「バリウム」は、化合物の硫酸バリウム。
(以下、原子番号57から71までランタノイド)
原子番号57:ランタン(La)
長崎のランタン祭り、いちど行ってみたい。ただのダジャレです。
原子番号58:セリウム(Ce)
鏡についた水垢を取るには酸化セリウムがいいんだそうです。
原子番号59:プラセオジム(Pr)
磁石の材料
原子番号60:ネオジム(Nd)
磁石の材料
※プラセオジムとネオジムは、当初は同じ元素と考えられて区別されなかったそうです。この二つの混合物が「ジジム」で、「双子」という意味。
原子番号61:プロメチウム(Pm)
昔は時計の文字盤の夜光塗料として使われていました。放射性物質なので今は使われません。
原子番号62:サマリウム(Sm)
折り句。
原子番号63:ユウロピウム(Eu)
名称の由来は「ヨーロッパ」。白色LEDに用いられるとのこと。
原子番号64:ガドリニウム(Gd)
MRIの造影剤に用いられる。
原子番号65:テルビウム(Tb)
テレビのブラウン管の材料に使われたそうです。ブラウン管テレビって、今無いですよね……。
原子番号66:ジスプロシウム(Dy)
語源は「近づきがたい」という意味。でもなんでロッカーにしたんだっけ?
原子番号67:ホルミウム(Ho)
ホルミウムレーザーは外科手術に使われます。前立腺とか。
原子番号68:エルビウム(Er)
エルビウムレーザーは外科手術に使われます。ほくろとか。
原子番号69:ツリウム(Tm)
スカンジナビアを意味するラテン語「トゥーレ」が語源。光ファイバーに使われるそうです。
原子番号70:イッテルビウム(Yb)
「イッてる」「美」「生む」
原子番号71:ルテチウム(Lu)
パリの古名「ルテティア」が語源。
(以上、原子番号57から71までランタノイド)
原子番号72:ハフニウム(Hf)
語源はラテン語でコペンハーゲンを意味する「ハフニア」。鍋焼きうどんおいしいですね。はふはふ。
原子番号73:タンタル(Ta)
ギリシャ神話のタンタロスが語源。「タンタロスの罰」とは、欲しい物が目の前にあるのに手も触れられない状態のことだそうです。英語の"tantalize"とは「じらす」という意味だとか。
原子番号74:タングステン(W)
タングステン電球のフィラメントに使われます。
原子番号75:レニウム(Re)
語源は「ライン川」。ライン川西岸のアルザスはフランス領。ドイツのローレライ伝説の舞台もライン川。
原子番号76:オスミウム(Os)
「お済み?」「うむ」
原子番号77:イリジウム(Ir)
小惑星の衝突で恐竜が絶滅したという説がありますが、その根拠になっているのが、世界各地で見つかるイリジウムが含まれた地層だそうです。
原子番号78:白金(Pt)
白金=プラチナ。
原子番号79:金(Au)
黄金のタレ(゚д゚)ウマー
原子番号80:水銀(Hg)
水銀灯って海外ではあまり使われないそうです。そういえば、外国の街灯ってちょっとオレンジがかってて、色がちがいます。
原子番号81:タリウム(Tl)
「
原子番号82:鉛(Pb)
鉛っていうと重くて沈鬱なイメージ。
(以下はすべて、安定同位体を持たない放射性元素)
原子番号83:ビスマス(Bi)
電子部品に用いられていますが、希少な物質なので、古い携帯などに眠っている資源(都市鉱山)の活用が期待されてます。
原子番号84:ポロニウム(Po)
非常に強い放射性物質。ごくごく微量ですがタバコの葉や煙に含まれているそうです。
原子番号85:アスタチン(At)
半減期が短く不安定な物質。その名の由来も「不安定」。にんげんだもの。
原子番号86:ラドン(Rn)
「ラドン」「うドン」。ラドン温泉には微量のラドンが含まれているそうです。健康にいいのかな? 知らない。
【第7周期】Fr Ra Ac Th Pa U Np Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No Lr Rf Db Sg Bh Hs Mt Ds Rg Cn Nh Fl Mc Lv Ts Og
原子番号87:フランシウム(Fr)
最も長いフランシウム223でも半減期が22分しかありません。
原子番号88:ラジウム(Ra)
マリー・キュリーが世界で初めて発見した放射性物質。
(以下、原子番号89から103までアクチノイド)
原子番号89:アクチニウム(Ac )
折り句。
原子番号90:トリウム(Th)
粉末は常温の空気中で自然発火。
原子番号91:プロトアクチニウム(Pa)
海底の沈殿層の年代測定に役立つそうです。
原子番号92:ウラン(U)
「イエローケーキ」はウランの粉末。
(以下は全て超ウラン元素)
原子番号93:ネプツニウム(Np)
名前の由来は海の神「ネプチューン」。
原子番号94:プルトニウム(Pu)
「かつて人類が遭遇した物質のうちでも最高の毒性をもつ」(京都大学原子炉実験所ホームページより)
原子番号95:アメリシウム(Am)
地球が形成されたときに存在したアメリシウムはすでに全て崩壊して消滅。今地球上にあるものは人類による核の軍事利用や平和利用の結果生まれたもの。煙感知器に使われることがあるそうです。
原子番号96:キュリウム(Cm)
名前の由来はマリー・キュリー(キュリー夫人)。
原子番号97:バークリウム(Bk)
カリフォルニア大学バークレー校で発見されたことにより命名。"UCLA"とか"UC BERKELEY"とか、カリフォルニア大学のロゴの入った服着てるひと、たまにいません?
原子番号98:カリホルニウム(Cf)
カリフォルニア巻き。
原子番号99:アインスタイニウム(Es)
アインシュタインの相対性理論。
原子番号100:フェルミウム(Fm)
水爆実験によって生成され発見。
原子番号101:メンデレビウム(Md)
「メン」「デレ」「美」「ウ」「無」
原子番号102:ノーベリウム(No)
名前の由来はノーベル賞で知られるアルフレッド・ノーベル。やれやれ。今年もまた文学賞の季節か。
原子番号103:ローレンシウム(Lr)
名前の由来は物理学者のアーネスト・ローレンス。「戦場のメリークリスマス」とは関係ないです。
(以上、原子番号89から103までアクチノイド)
原子番号104:ラザホージウム(Rf)
「ラザ」「ホー」「ジ」「う」「婿」
原子番号105:ドブニウム(Db)
「ドブに産む」
原子番号106:シーボーギウム(Sg)
物理学者グレン・シーボーグにちなんで命名。シーボーグは9種類の新元素を発見した。
原子番号107:ボーリウム(Bh)
ニールス・ボーアにちなんで命名。ボーアはウランを核分裂させるための理論を考え出した物理学者です。自分の理論が原子爆弾の開発のために使われていることを知ったボーアは、チャーチルやルーズベルトを説得して開発をやめさせようとしましたが、かないませんでした。
原子番号108:ハッシウム(Hs)
「発止」。それだけ。
原子番号109:マイトネリウム(Mt)
「舞」「舎人」「産む」
原子番号110:ダームスタチウム(Ds)
名称は、ドイツの都市ダルムシュタットにちなんでいます。ダルムシュタットの南郊で生産されているワインが、ベルクシュトラーセ。
原子番号111:レントゲニウム(Rg)
ヴィルヘルム・レントゲンにちなんで命名。レントゲンはX線の発見者。X線写真のことを「レントゲン」と呼びますね。
原子番号112:コペルニシウム(Cn)
コペルニクス的転回。
原子番号113:ウンウントリウム(Un)
「うんうん」「とり」「う」「無」。「ウンウントリウム」というのは正式な名称ではなくて、「1・1・3」という数字のラテン語に基づく仮の名前。
原子番号114:フレロビウム(Fl)
「フレロ」「ビ」「ウ」「ム」
原子番号115:ウンウンペンチウム(Unp)
「ウンウン」「ペンチ」「膿む」。こちらもウンウントリウムと同様に仮の名前。
原子番号116:リバモリウム(Lv)
LV
原子番号117:ウンウンセプチウム(Uus)
電話番号117番は時報ですね。こちらも仮の名前。
原子番号118:ウンウンオクチウム(Uuo)
「うんうん」「おくち」「生む」。118首作るのは大変でした……。これも仮の名前ですね。
【第7周期・補足】(2016年にIUPACによって新たに命名が認められた4つの元素)
原子番号113:ニホニウム(Nh)
日本の理化学研究所によって発見されたことにちなみ、2016年に「ニホニウム」と命名されました。世界に注目される日本ですよ。
原子番号115:モスコビウム(Mc)
初めて合成された場所であるモスクワにちなんで命名。もすかう! もすかう!
原子番号117:テネシン(Ts)
アメリカのテネシーにちなんだ命名。
原子番号118:オガネソン(Og)
「お」「が」「ね」「そん」。吉幾三さんの歌とからめて「お
以上、118と言いながら122首の解説でした。
今後も新しい元素が発見されれば、その歌も作るつもりです。
世界の全てをこの手に。
elementals 猫村まぬる @nkdmnr
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