07 空を切り裂く少年
「ハァハァハァもうハァハァハァ走りハァハァハァたくない」
店を出てから猛ダッシュで日本一長いトンネルと同じ距離を走らされてぼくは今、ヘトヘト状態である。
「何もかもが暑い!!」
トンネルの中を目一杯走ったがここは地獄、暑すぎて今にも脱水症状か熱中症で倒れるんじゃないかと思ってしまうくらい暑いのである。(走らなきゃよかったよ)
「だらしねぇな、もう少しだからしっかりしろ」
飛沫が親指で指差した先には貨物駅と書かれたちょっと古い看板があった。
ヘトヘトになりながらもぼくは貨物駅へと足を運びようやく貨物駅の事務所の受付に辿り着く、そこでぼくはそのまま椅子へともたれかかる。
とここでぼくの意識は遠のくどうやら今までの疲労が溜まっていたらしい。
次に目が覚めると辺りはゲームセンターとまではいかないが騒がしかった。
よく耳をすまして聞くと「怪我人はいないか!」・「警察と消防はまだか!」などいろんな会話が聞こえる。てか地獄でも消防はあるんだ。
すると飛沫が出入り口の方から来たのでぼくは声をかける。
「起きたか、凪」
そう言って飛沫は近づいてくる。
「何かあったの?」
ぼくはこの騒がしさの原因がなんなのか聞いてみる。
「あぁ、ちょっと外でな、見ればわかる」
そしてぼくは飛沫に連れられ事務所の外に出る。
すると辺りには貨物が散らばり貨物に乗せられていたであろうガソリンに火がつき火の海になりかけていた。
「まるでゴ○ラとかの怪獣が現れた後や特撮の怪人が暴れ狂った後みたいなかんじだな」
ぼくが思ったことを言うと飛沫が「それはほしいな」と言う
ほしいって何がほしいのだろうか?
「これの原因はポ○モンのダイ◯ックスとかに近い感じでな」
エモいは知らないのにポケ◯ンの最新版のことは知っているんだなと思っていると。「ギャァァオー」と獣が鳴いたかのような咆哮が聞こえてきた。
「ちょうどいい、あそこに元凶がいる」
飛沫が指した先にはゴ○ラぐらいあるであろう鹿がいた。
「鹿(アレ)が巨大化してな貨物駅(ここ)がパニックパニックなんだよ」
なんなの?パニックパニックってぼくはそう思ったがあえて口にはしなかった。
もう一度辺りを見渡す。
「もうこれは軽く地獄絵図だ(まぁ、ここが地獄なんですけど)
「てか飛沫は戦わなくていいの?」
確か聞いた話し強い戦士だと言っていたはずだ。ということでぼくは素朴に思ったことを聞いてみた?
「・・・た」
「え?何?聞こえない」
「・・・忘れた」
「何を?」
「っ、だから武器を忘れたつってんだろ!」
キレたこれ以上追求するとめんどくさいことになりそうだからやめておこう。
そんなことを思ってたりすると
「これは?」
空からヒラヒラと白い羽が舞い落ちてきては地面に触れると雪のように消えていく。
「これは」飛沫は知っているかのような言い方をする。
「雨ノ舞 拾壱の型」
空から聞き覚えのある声が聞こえたのでぼくは空へと目を向けるとそこには刀を振り上げる人の影が見える。
「叢雨!!」
そのまま人影は事件の元凶(鹿)に雨のように降り注ぐ。
事件の元凶は大きな咆哮をあげてぶっ倒れその突風でぼくは尻餅をついてしまう。イテテテ
人影だったものはハッキリと見えるようになりしだいにそれは少年だということがわかる。
そしてその少年はこちらに向かって声をかけてきた。
まるで実力者エリートの登場シーンのように。
「よう、無事か?し~ぶき」
そこにいた少年は中学まで同じ学校に通っていた友人、雪風
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