第9話 チェックメイトだ❗

「あの子は私に生活に困らないだけのお金を遺してくれました」

 母親は哀しげな顔で呟いた。


「はァ~」

 聞いていて切なくなってきた。

 どんなに遺産カネのこしてもこどもが親より先にってはいけない。


「いつかは、こんな事件ことになるんじゃないかと、お金なんて要らないから、あのが元気でいてくれれば」


「ハイ」

 残念ながら、もう二度とイブの笑顔は見られない。


「そう言えば近々、大金が入るッて、もしかしたらその所為せいで」


「ン、大金ですか」

 やはりイブは社長の清間を恐喝ユスり金を巻き上げようとして……

 逆に、清間に殺害されたのでは……



 ※。.:*:・'°☆



 俺たちはクリスの真っ赤なオープンカーで付近を捜索した。真冬にオープンカーは寒くて凍えた。

 二駅ほど離れた公園でホットコーヒーを飲んだ。


「フゥ~…… ッたまるわねェ」

 クリスは笑顔で僕に抱きついた。柔らかく豊かな胸が僕に押しつけられた。


「ちょッ、ちょっと……」白昼堂々と抱きつかれてドキドキしてきた。


「やっぱ、どう考えても清間が怪しいわね」

「うン……」

 だが、清間カレには鉄壁のアリバイがあった。


「それにいまだに凶器が特定されていないの」

「うン、金属のような硬いモノで首を絞められて殺された事は確かだが……」

 いったい清間が、どうやってアリバイを作ったのか皆目、わからない。


 缶コーヒーを飲み干し公園でゴミ箱を探したが見当たらない。

 空き缶を持って、うろうろしていると妙齢な女性が声を掛けてきた。


「あんたたち、そのゴミをどうする気だい」


「え、いや…… ちゃんと持ち帰ります」

「当たり前だろ。自分のゴミは自分のトコで捨てるのは❗

 まさか、あんたたちじゃないのか」

「え、何がですか……」


「クリスマスの日にも燃えるゴミの日に、変な金具を捨てたのは……」

「え、クリスマスの日ですか。違いますよ。

 ン……❗❗ ちょっと待って下さい。

 クリスマスの日ッて、確かなンですか」

 もしかしたらイブを殺害したではないのか。


「ああ、やっぱ、あんたらなのか❓」


「いえ、違いますが……」 

「困るんだよねぇ❗ ああいう金具は、別の曜日に回収するンだから」


「そのッて、どんなのですか❓」

「持って来ようか。犯人を捕まえたら突き返そうと思ってねぇ❗❗」


「まだあるンですか。じゃ、是非、こちらで預からせて下さい」


「ン……そうかい」


 こうして俺たちは何者かが捨てたを預かった。

 クリスは、すぐにを鑑識へ持っていった。



「これで【王手チェックメイト】だ❗

 待ってろよ。清間……

 お前の悪事は俺が暴いてやる❗❗」

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