第8話

「こんにちは、イブさんのお母様ですか」

 俺は頭を下げ挨拶をした。


「ええ……」少し警戒しているようだ。

「あなた方は❓」


「僕は、弁護士のシンゴと申します」


「え、弁護士さんですか……」

 もちろん怪しんで信用しない。

 こんなロックミュージシャンのような格好の弁護士など普通は信じない。


「私は警察のクリスと言うモノです」

 警察手帳を提示した。


「え…… け、刑事さんですか」

 こちらも思わず目を白黒させた。

 当然の反応だ。


 クリスは、ミニスカートから白く長い美脚をさらけ出していた。

 巨乳グラビアアイドルみたいに胸の谷間を強調させ、とても刑事には見えない。


 取り敢えず部屋へ入り僕たちはイブの母親から事情を聞いた。


「失礼ですが、イブさんは事件前に何かおっしゃってましたか❓」

 警察も繰り返し事情聴取しただろう。

 それほど期待はしてないが、訊かないわけにはいかない。


「いえ、特には…… 申しワケありません」

 母親は済まなそうに頭を下げて謝った。


 慌ててクリスが両手を振った。

「いえ、お母様が謝まる必要はありません。

 どんな些細な事でも構いません」


「そうですねぇ…… あの子は派手なワリに親孝行をしたいと。

 母子家庭なので、お母さんに楽をさせて上げたいッて」


「なるほど出来れば、イブさんと清間社長の馴れ初めを」

「社長とですか。あの子は小さい時からアイドル歌手になりたいとか言って。

 オーディションも幾つも受けたのですが、結局、モノにならず清間社長のトコで」


「なるほど……」

「初めは水着の仕事をしていたのですが……

 段々、過激になって」


「ハイ……」良くある手口だ。

 初めはAVと知らず、グラビアアイドルとして売り出し、徐々に過激なセクシー路線へ変更していったのだろう。


「初めは、セクシーなモノを二、三本だけの契約だと聞かされていたのですが……

 高額な契約料を戴けると整形したり胸を」


「豊胸ですか」

 クリスの問いに母親は目をじて頷いた。

「ええ……」


 


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