第7話 司《つかさ》 梨々香

 翌々日、『セクシープラネット』の社長、清間の交際がほうじられた。


 相手は若手人気女優 つかさ 梨々香だ。

 美人でセレブ令嬢として有名だ。


「やっぱ、あの清間ッて社長が俺を罠にめたンだ」

 馬場が報道を見て吠えた。


「うン」確かに怪しい。


 売れっ子ホストだった清間はセクシー女優の芸能事務所を立ち上げ次々と美人キャバ嬢をスカウトし急成長を遂げた。


 イブひとりで数十億と儲け彼女と婚約でもしていたのかもしれない。


 だがセレブ女優、つかさ梨々香と出来てしまい、イブが邪魔になって殺害したとも考えられる。


 清間社長ならばイブのマンションの構造も熟知しているはずだ。


 しかし彼には犯行時刻、パーティにいたというがあった。


 しかもいまだに凶器が発見されていない。


「うゥン」いったい彼は……

 どんなマジックを使ったのだろう。


 清間のアリバイを崩せない限り、馬場アキラを救う手だてはない。





 慌ただしく年末が過ぎようとしていた。

 未だに凶器が発見されず、捜査も行き詰まっていた。

 早く突破口を見つけなければ、馬場アキラの容疑が濃くなるばかりだ。


 警察は馬場を真犯人ホンボシと考え、任意で事情を訊いていた。


 俺とクリスはもう一度、現場となったイブのマンションへおもむいた。

 部屋にはひとりの四十歳前半の女性がいた。さぞかし昔は美人だっただろう。


 上品そうだが疲れて憔悴しょうすいしきった顔だ。

 かすかにイブに面影が似ていた。




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