結局ゲームができたのは、翌日の晩でした

 その後はそれぞれ事情聴取をされました。

 教祖の娘様プラスその他から事情をそれぞれ根掘り葉掘り聞かれて、すごく疲れました。

 ちなみに事情聴取の順番は同僚さん→私→上司の順番でした。

 上司は声を封じている呪詛をなんとかしなければならなかったので、後回しにされたようです。

 一応主犯ということになっているらしく、魔封じの手錠付きで治療室に連れてかれていくのを見たのが最後の姿でした。

 …………………………ざまあ。

 思わずせせら嗤いそうになるのをぐっと堪えます、あの人の事は昔から嫌いだったのですが、今の状況で『ざまあ』というほど関心があったわけではないので。

 結局解放されたのは結構遅くになってしまいました。

 あたり一帯が真っ暗です、泣いてもいいでしょうか?

 早くおうちに帰りたい。

 帰りたいのです、が……

「めっちゃ疲れた顔してるけど大丈夫?」

「あんまし大丈夫じゃないです……」

 私の手を引く同僚さんが足早に向かう先は私の家とは逆方向でした。

 視線だけで自分ちに帰らせてくださいと訴えてみましたが、黙殺されました。

「……同僚さん」

「駄目」

 呼んだだけなのにいきなり却下されました。

「疲れました……」

「そう」

「同僚さんは疲れてないんですか?」

「少しだけ」

「じゃあ日を改めましょうよ」

「やだ」

 とか言い合っているうちに同僚さんのご自宅に到着してしまいました。

 あ、どうしましょう。

 今更になって冷や汗が……

「お、おじゃまします……」

 促されて玄関に入り、靴を脱いだ直後に小脇にひょいと抱えられました。

「え?」

 同僚さんは私を小脇に抱えたまま廊下を大股で進んで寝室へ。

 少し大きめなベッドに私の身体は放り投げられました。

 ボヨボヨ跳ねている途中でベッドに押し付けるように覆い被さられました。

「あの……同僚さん…………?」

 シャワーとかお貸ししてくれるとか言っていた覚えがあるのですが、これはどういう……?

 いきなりとは思っていなかったのですが……

 同僚さんは何も言わずに恐ろしい笑顔で私を見下ろしました。

 うっわぁ……なんか色気がダダ漏れなんですけど……気を失ってもいいでしょうか、多分起こされるのでしょうけど。

 ……そういえば昔、こんな話を聞いたことがあります。

 生命の危機を感じると、そういう欲が高まるとかどうとか……

 ああ、まさに今その状態ですかね……

 その日の晩、私は容赦も手加減も一切なくいじめ抜かれました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

有名なセリフを吐くよりもとにかくゲームがしたい 朝霧 @asagiri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ