第18話 ずっと友達

 サトちゃんの手紙を持ったまま号泣する。


 ヨシばあの言ってた事って本当だったのかな。

本当にサトちゃんと会っていたのかもしれない。


 ヨシばあのお墓参りに行ってお礼をしなきゃ。


 心のわだかまりは、サトちゃんの手紙で少しとれたのかもしれない。


 手紙を抱き締めて、落ち着くまで泣いた。




■  □  ■  □


 二週間後サトちゃんの家を訪ねる。


「……みっちゃん、これあげるね」


 おばさんの手に植木鉢がある。アオノリュウゼツランだった。


「……次に咲くときは、私はサトの所にいると思うの。みっちゃんはもう一度、もう一度」


「……おばさん、私も分からないよ。けど育てます。サトちゃんとの大切な約束の花だから、必ず咲かせてみせます。……おばさん、サトちゃんに会ったら、わたし、たくさん泣いたけど幸せに暮らしてるって伝えて下さい。サトちゃんと仲直り出来て嬉しかったと伝えて下さい」


 まだ小さな龍舌蘭をおばさんから受けとる。


 サトちゃんとの思い出の花を必ず咲かせよう。


 サトちゃんがずっとそばにいてくれる。


 ずっと、ずっと、友達だよ!


                    了

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

龍舌蘭 星都ハナス @hanasu-hosito

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ