第12話 傾奇《カブキ》モノ

「フゥン……、ッたく、まさか、おたくが信長の末裔とはなァ~ー……」

 通話を切ると山村は俺を睨んだ。


「フフ…… たまたまですよ」

 肩をすくめ苦笑いした。


傾奇カブキモノでしょ。信長も……

 今で言うビジュアル系よねェ」

 クリスが微笑んだ。 

「どうかな……」俺は苦笑した。


「フン、ホラよ。ッで、どこで警視総監と」

 山村はスマホを俺に返した。


「たまたまですよ…… お祖母ばあ様の関係でね……」

「フン、たまたまねェ……」


「じゃ、ジョーカーは帰して貰って宜しいンですね……」


「ああ……、ま、任意だからな……

 いずれ証拠が揃えば逮捕状を請求する」


「あのねェ…… オジさん!」

 馬場は口を尖らせた。


「はァ~、誰がオジさんだよ❗❗」

「いいか、俺は無実なの❗❗

 下手すりゃァ~、冤罪事件だぜ❗❗」


「うるさい…… とっとと出て行け」


「ハッハハ…、行こうぜ❗ シンゴ君❗❗」


「それよりラブリのストーカーだったッて男…… 何か特徴はなかったか❓」


「え……、ンゥ、特徴ねェ……」

 必死に考えているようだ。


「何でも良いンだ…… 思い出せよ。

 お前の冤罪を張らすためにも……」


「ン…… だってニット帽をかぶってたし、マスクもしてたから…… 顔は……」

 馬場は少し考えながらつぶやいた。


「ああ、そう言えば手首に紅い蜘蛛くものタトゥが有ったな……」


「紅い蜘蛛くも…… ン……❗

 レッドスパイダーか❗❗」

 一刻も早くそのストーカーの男を逮捕しなくてはならない。


 そのためには警察の組織力による人海戦術だ。


 やがてラブリに関係があり、手首に紅い蜘蛛のタトゥがある事からが浮上した。





 烏丸からすま阿久人あくとだ。





 ※。.:*:・'°☆※。.:*:・'°☆


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