第16話

「私は…… そのまま真っ逆さまに階段を落ちて行ったわ」



「うゥ……😓💦💦💦」何故ナゼか、その時の光景が僕の脳裡によみがえった。



 神社の境内けいだいの階段をまっ逆さまに落ちていく少女の姿が……



 そうだ。

 あの時、僕は少女を……




「その時、咄嗟とっさに身をていして私をかばってくれた少年がいたの❗❗」

 亜蘭が呟いた。



「な……❗❗❗」まさか……

 その少年は……



「そうよ…… ポーねぇ…😌✨💕💕」



「うゥ…、ン……」僕は、かすかに頷いた。

 確かに僕は昔、階段を落ちていく少女を助けた事があった。



「その少年のお陰で、私は、傷ひとつ負わずに済んだわ……

 でもその少年は私を庇いながら階段をゴロゴロと打ちつけて、背中が傷だらけになったの」



「そ、そうか……」

 僕の背中には今もその時の傷跡が残っていた。




「その少年は、背中に傷を負いながら私に微笑ほほえんでくれたの……」



「……」

「『大丈夫か❓』ッて……」

「うン……」


「私は、怖くなってワンワン泣いちゃったわ。そしたらその少年が……

 『泣くなよ…… 僕が泣かせたみたいだろ……』ッて言ったのよ」


「ああ……」

 そうだ。覚えている……

 昔の『正義の味方』のようなキザな科白セリフだ。 


「そのあと、いつの間にか少年は姿を消していた。そして高校へ入学して三年の副担任として、ポーが現れたの」


「ああ……」思い出した。

 僕が挨拶をした瞬間、亜蘭は驚いた顔をしていた。


「でもポーは、私の事に気づかなかった」

 大きな瞳が涙で潤んだ。





 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ノ∠※。.:*:・'°☆

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