うつくしま寮が変形したイワシロジェットは下野街道を南会津町に向かって南下した。

「敵機反応確認！」

「羅刹夷はもう田島から戻ってきましたか！？」

「羅刹夷？」

「あの巨大なハクビシンの事です！」

「羅刹は人の心を食い荒らす鬼神。蝦夷の夷が付くのは“まつろわぬ人殺しの鬼神”という類でしょう」

「なんて凶悪な…」

「安達の鬼婆そのものじゃない！」

「羅刹夷「雷獣」と激突する前に三機に分離します！光美さん！」

「了解！分離（プラグアウト）！」

－ガコン

－ガシャン

－バーン

－ガガゴゴ

－ドスン

光美がレバーを操縦席の引くと、イワシロジェットは白虎型メカの「アイズライガー」、山鳥型メカの「センドウバード」、フタバスズキリュウ型メカの「イワキザウラー」に分離・変形した。

イワシロジェット内で待機していた6人は分離に先行して、「アイズライガー」には勝代と桐花が、「センドウバード」には剣と聖弓が、「イワキザウラー」には龍美と鶴子が、イワシロジェット内で待機椅子ごとレールで操縦席とブースターの砲台に移動した。

三機のメタルクベーラが会津若松市南部で雷獣と対峙した。

「このおんつぁ（バカ）野朗！！これでも喰らいやがれ！」

－ガォォォン！

－ズシャ！

アイズライガーが先陣を切って雷獣にくらいかかる。

アイズライガーの前脚にはブースターが変化した長爪「アイズクロー」があり、雷獣の動きを止める。

「撃て！桐花！」

「あいよ！ウラウラウラウラァッ！」

－ドドドド

背中に取り付けられたミサイルポッドブースターから大量のミサイルが雷獣に撃ち込まれる。

－ドゴォオン

「次は任せてくんろ！鶴子！」

「はい！これでもくらえー！」

－ドスンドスン

－ダンダンダン

－ドゴォオン

イワキザウラーは遅めながらも背中に取り付けられたロングレーザーライフルブースターからレーザー砲を撃ちまくりながら雷獣に近づく。

「オラもいくぞー！」

「はい！」

センドウバードは背中に取り付けられた対空砲ブースターからミサイルを撃ちながら上空から雷獣に近づき、ブースターの一部が変化した脚爪「センドウクロー」で雷獣を薙ぎ払う。

雷獣は三機に身体を斬り裂かれ、その場に倒れ込む。

「やったぁ！」

「喜ぶのはまだ早いです！」

雷獣はどす黒いオーラに包まれ、その身体を再生させた。

「なんだって！？」

「再生した…？」

「龍美先輩、剣先輩、勝代先輩、融合合身です！」

「融合合身」

「アイズライガー、センドウバード、イワキザウラーの三機は先輩と一体化する事で人型の戦闘ロボに変形します！その方法が融合合身です！」

「わがった！そんじぇ（それで）なじょ（どう）すればいいがやぁ！？」

「如意輪陀羅尼神呪経です！それを開いて“融合合身”と唱えてください！」

「わがった！」

「よぉし…」

「融合合身！！」

司令室が入ったセンドウバードの中にいる小温が各機の操縦席にいる龍美、剣、勝代の3人に指示を送る。

3人は指示通りに如意輪陀羅尼神呪経を開き融合合身と叫ぶと外に出て、アイズライガーは勝代を、センドウバードは剣を、イワキザウラーは龍美をマシンの頭部から食らうように3人を飲み込むと、ブースターを外し、脚や翼のパーツを畳んで1度列車形態に変形すると、そこからさらに変形を始め、車体前部が90度曲がり、車体後部が伸びて脚になり、車体前部は折り畳まれた腕が伸び、背中と手にブースターが合体し、人型形態へ変形が完了した。

「アイズライガー！」

「センドウバード」

「イワキザウラー！」

福島県の会津、中通り、浜通り各地域の守護神が降り立った！