第10話 森の中

そして俺達は、鬱蒼とした森の中の一本道を進んで行く。

すると急に馬車の前に、数人の男が飛び出した。

馬車を引く馬は、驚き嘶いて暴れだしたが、

ジュリは上手に手綱を操り馬を落ち着かせる。

おっと、これはあれか?お決まりの盗賊って奴か?

とりあえず様子を見よう(ワクワクッ)。


「お、お前たち二人だけなのか!」


「はい、二人だけです。」


よしっ、次は有り金置いて行けかな?


「その馬車の中にはだれも乗っていないのか!?」


「はい、乗っていません。」


「ち!仕方ない、二人とも急いで馬車の中に入れ。」


え?もしかして馬車ごとさらって身代金の請求するのかな?


「さっさと入るんだ間に合わなくなる!」


「は、はい!」


勢いに押され、ジュリと二人、馬車の中に駆け込む。

すると続いて2人の男が馬車の中に入ってきた。

前の小窓から見ると御者席には二人の男が座っていた。

では残りの男は何処いった?

と後ろから声がしてくる。ああ、後ろにしがみついてるのか。


「やつが来る!急いで馬車を走らせろ!!」


すると馬車はすごい勢いで走りだした。

馬車の重さもあるし、この人数を乗せて馬二頭で大丈夫か?

訳が分らないけど、取り合えず頑張ってくれ、お馬ちゃん。

俺はそっとオート・キュア(自動回復)を二頭にかける。

すると後ろからドスッドスッと大きく、鈍い音が近づいてくる。

ちらっと見ると、あれキンググリーズだよな?うん、確かにそのはず。

だがあのデカさは何だ!?

普通デカくても2メートル以内だが、それがあいつは優に3メートルはある。

最近規格外の奴に、よく出会うな。

よし!相手にとって不足無し!と思ったがこの男たちが邪魔だ。

男達さえいなかったら簡単にやっつけられる相手だが。

仕方ないので、シャドウステッチでやつを足止めした。


「お、おい。助かったみたいだぞ。あいつ追うのを諦めたみたいだ。」


「良かった!もうだめかと思ったぞ。」


男たちはそれぞれ安堵の言葉を言いながらも、しばらく馬車を走らせた。

安全が確認できる所まで来ると、やっと馬車を止める。


「すまなかったな姉ちゃん達、怖かっただろう。」


「まあ、俺達は通りかかってくれて助かったが、

だが姉ちゃん迂闊すぎるぞ、女だけでこの森の中を行くなんて。」


「俺達はギルドの依頼でこの森に来ている冒険者だ。

最近この森で巨大化した魔物が暴れ回っていて、

その駆除に俺達が派遣されたんだ。」


「しかしあれほど狂暴化しているとは…、

Bランクの俺達で全然だめとなると、Aランクでも対応できるか分からないぞ?

まずいな……。このままでは町にも被害が出るかもしれん。」


何やら深刻そうだな。(ワクワクッ)

ジュリを見ると諦めきった顔をして俺を見ている。

(なーなー、何か困っているみたいだから助けてやろう?)

(はいはい、私も聖職者だった身ですし、困っている人を見捨てては置けません。

でもその代わりと言っては何ですが、早めに飛行魔法教えて下さいね。)

(お前忘れてなかったのか。)

(当たり前です。)


さて、まずは情報収集だな。

冒険者達が言うには、

魔の森の奥に行くほど巨大化した魔物が増えると言う事。

巨大化した魔物は例外もいるが、ほとんどがものすごく狂暴化している事。

あの小さくて逃げてばかりいるピジョンバードも

巨大化した奴はものすごい勢いで襲い掛かってくるそうだ。

それと、不思議な事に凶暴な奴を倒しても、

核となる宝石が一切取れないと言うことだ。

その後、俺達は町まで同行した冒険者たちと別れ、宿をとった。

異常な魔獣を駆除そして俺たちは、あまり人気のない森の中の一本道を進んで行く。

すると急に馬車の前に、数人の男が飛び出した。

馬車を引く2頭の馬は、驚き嘶いて暴れだしたが、ジュリは上手に手綱を操り馬を落ち着かせる。

おっと、これはあれか?お決まりの盗賊って奴か?

とりあえず様子を見よう(ワクワクッ)。


「お、お前たち二人だけなのか!」


「はい、二人だけです。」


次は有り金置いて行けかな?


「その馬車の中にはだれも乗っていないのか!?」


「はい、乗っていません。」


「ち!仕方ない、二人とも急いで馬車の中に入れ。」


え?もしかして馬車ごとさらって身代金の請求するのかな?


「さっさと入るんだ間に合わなくなる!」


「は、はい!」


勢いに押され、ジュリと二人、馬車の中に駆け込む。

すると続いて2人の男が馬車の中に入ってきた。

前の小窓から見ると御者席には二人の男が座っていた。では残りの二人は何処だ?

と後ろから声がしてくる。ああ、後ろにしがみついてるんだ。


「やつが来る!急いで馬車を走らせろ!!」


馬車はすごい勢いで走りだした。

馬車の重さもあるし、この人数を乗せて馬二頭で大丈夫か?

訳が分らないけど、取り合えず頑張ってくれ馬ちゃん。

俺はそっとオート・キュア(自動回復)を二頭にかけた。

すると後ろからドスッドスッと大きく、鈍い音が近づいてくる。

ちらっと見ると、あれキンググリーズだよな?うん、確かにそのはず。

だがあのデカさは何だ!?

普通デカくても3メートル以内だが、それがあいつは優に4メートルはある。

最近規格外の奴に、よく出会うな。

よし!相手にとって不足無!と思ったがこの男たちが邪魔だ。

男たちさえいなかったら簡単にやっつけられる相手だが。

仕方ないので、シャドウステッチでやつを足止めした。


「お、おい。助かったみたいだぞ。あいつ追うのを諦めたみたいだ。」


「良かった!もうだめかと思ったぞ。」


男たちはそれぞれ安堵の言葉を言いながらしばらく馬車を走らせた。

安全が確認できる所まで来ると、やっと馬車を止める。


「すまなかったな姉ちゃんたち、怖かっただろう。」


「ああ、俺たちは通りかかってくれて助かったが、だが姉ちゃん迂闊すぎるぞ、女だけでこの森の中を行くなんて。」


「俺たちはギルドの依頼でこの森に来ている冒険者だ。

最近この森で巨大化した魔物が暴れ回っていて、その駆除に俺たちが派遣されたんだ。」


「しかしあれほど狂暴化しているとは、Bランクの俺達で全然だめだから。Aランクでも対応できるか分からないぞ?まずいな……。このままでは町にも被害が出るかもしれん。」


何やら深刻そうだな。(ワクワクッ)

ジュリを見ると諦めきった顔をして俺を見ている。

(なーなー、何か困っているみたいだから助けてやろう?)

(はいはい、私も聖職者だった身ですし、困っている人を見捨てては置けません。

でもその代わりと言っては何ですが、ちゃんと飛行魔法教えて下さいね。)

(お前忘れてなかったのか。)

(当たり前です。)


さて、まずは情報収集だな。

冒険者達が言うには、

魔の森の奥に行くほど巨大化した魔物が増えると言うこと。

巨大化した魔物は例外もいるが、ほとんどがものすごく狂暴化していること。

あの小さくて逃げてばかりいるピジョンバードも巨大化した奴はものすごい勢いで襲い掛かってくるそうだ。

それと、不思議な事に凶暴な奴を倒しても、核となる宝石が一切取れないと言うことだ。

その後、俺たちは町まで同行した冒険者たちと別れ宿をとった。

異常な魔獣を駆除(ストレス発散および運動とも言う)と、ジュリに魔法を教える事を兼ね、しばらくこの町に留まる事になった。

この町の宿は一部屋幾らの計算。

部屋によって値段が違う。豪華な部屋、それなりの部屋、大きい部屋。

大部屋はそれなりに値が張るが、何人詰め込んでも同額なので

大人数のパーティーは、あえて大部屋を取り雑魚寝で宿泊費を浮かす。

その為宿の前で、初対面の冒険者に声をかけ、同室になるべく誘う事も有る。

俺たちは普通の二人部屋をチョイス。ベッドを2台レンタルし、20日間分の料金を払った。


「ジュリー、腹減った~なんか作ってくれー。」


部屋に入って早々、俺はジュリに頼んだ。

もうお腹がペコペコなんだよ。


「いやですよ、せっかくの旅行なんですから。

下の食堂でご当地グルメをいただきましょう。」


長期滞在を見越して、わざわざ小さなキッチン付きの部屋をとったんだから、

そのうち何か作ってくれよな。

お前の料理、旨いから好きなんだ。

食堂では俺はシグエラのステーキを頼んだ。もちろん塩味チョイス。

サイドメニューはキングバッファローの煮物

あとは黒パン。

うん、旨そうだ。

ジュリお前は?

シングチキンの野菜たっぷりスープとクルルの蒸し物と白パンか。

そっちにさりげなーく隠しているのは何だ?

リカラのムース?

ずるいぞ、後で味見させてくれ。

その後”肉はかぶりつかずちゃんと切り分けて食べて下さい”だの

”ほら口の周りがソースだらけですよ、みっともない”とか

いちいち文句を言われた。

五月蠅い!

もっとも俺もそのスープ一口くれ!と実力行使で食わせてもらったり、

リカラのムースに関してはほとんど俺が食った。

ジュリは仕方なくもう一つ追加していた。

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