市長の企み!?(4)

 実験その2とは、透明な球体の中にラビー王女が入り、透明な球体の中と外では、何か違いがあるのか。透明な球体の中から、外に逃げることが可能なのか。外からの衝撃にどれくらい耐えられるのか。


 実験が始まり、透明な球体の中にラビー王女が入り、いろいろと実験していると。ラビー王女の唯一の弱点を知ることに。


 透明な球体の中にラビー王女が入り、どのくらいの高さまで浮くことができるのか実験しようとした時、急にあわてた様子で、それだけはできないと言い出し、高所恐怖症だとわかると。

 アリスは、自ら透明な球体の中に入り、透明な球体はゆっくりと浮き上がり、ラビー王女に手を振っている。実は、アリスは高いところが大好きだった。


 53項目を実験した結果、正義のリングは、何ができて、何ができないのかわかり、偶然に分かったことがある。アリスとラビー王女の正義のリングの強さに少しだが差があり。その強さをМAX100とするなら、アリスが100で、ラビー王女は90だった。そして、正義のリングを使用する場合、「正義のリング」と声に出さなくても使用可能だとわかり。声に出し光に想いを込めればその強さがМAX以上になる可能性もあり。ようするに火事場の馬鹿力的な現象が起こる。


 この実験結果をもとに、正義のリングとどう向き合って行くのかよく考え、その使い道として、一つの結論を出し。正義のリングは、人を守るための力、攻撃をするための力ではない。よって、人を守るために使う。

 この能力は世界に2人だけしかいない、限られた範囲でしか使えない、体力にも限界もある。そのことを考慮した2人は、瞬間移動で病院を巡り、できる限り患者を救うことに決めた。

 しかし、病院側にとっては複雑な心境で、死活問題に匹敵するくらい患者がいなくなってしまう、これじゃ病院の経営は成り立たない。そこで、重症、重篤患者を優先とし、次にガン患者を対象とすることに決め。あとは、ニューヨーク州の市長の許可を得てから、各病院に許可を得る。いくら王女の権限でも勝手にはできない。

 そんな時、王の親友でもあるパンダの市長がこの城のVIPルームに来ていた。そのことをアリスとラビー王女は知らずにいると。ラビー王女のスマホに王から連絡が入り、急いでVIPルームに来て欲しいと言う。2人は急ぎVIPルームに行くと、大きなソファーに王と市長が並んで座り、2人も対面するようにローテーブルをはさんでソファーに座った。

 アリスは初めて市長に会い、パンダがソファーに座っていると思わず、この2ヶ月間でだいぶこの環境にも慣れ。アリスとラビー王女は市長に挨拶をすませると、市長はいきなりアリスとラビー王女に頼みたいことがあると言う。

 ラビー王女は、まさか正義のリングのことをお父さんから聞き、市長自らあのことを頼みに来たのかと思っていると、全く違う頼み事だった。


 市長は、王から正義のリングのことを知り。最近、ニューヨーク州で事件が多発し、どういう訳か2ヶ月前から急に銃撃事件、強盗事件、放火事件が増え始めたと言う。そのことは、報道番組を見てアリスとラビー王女も知っていた。

 そこで、2人に正義のリングを使って、多発する事件の解決と放火を食い止めてと欲しいと、市長自ら協力依頼を申し出た。

 2人は、困惑している。協力できない訳ではない、優先したいのは患者だけど、二刀流となると、体力的にも負担が大きい。

 そのことをラビー王女は市長に話すと。病院の件は私に任せない、私がなんとか各病院に協力をお願いしてみる。ただ、優先するのは患者だが、できる限りでいいから、ニューヨーク市警察にも協力して欲しいと言う。

 2人は、あの言葉を思い出していた。「正義のリングを背負う覚悟があるか」、もしかしたら、いろんな事件に巻き込まれて行く可能性もある、背負った以上は引き受けるしかないと思い。ラビー王女は、市長に協力すると言い。但し、できる限りだと。

 この時、市長は体調を崩していたが、正義のリングを要求しなかった。そのことをあとで知った2人は、市長の想いにプレッシャーを感じ、自分自身に負けるものかと気合を入れていた、のはラビー王女だけで。アリスにはプレッシャーなどなく、面白い、やってやろうじゃないと張り切っていた。

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