第20話 異様な光景

ドアを開けた先には――――

「よいしょ…よいしょ…。」

なんと、如月きさらぎさんが仰向けで俺のベットの下に潜り込んでいたのだ。

「…………えっと。」

俺は目の前の光景が過ぎて思わず声を上げた。

「よいしょ…よいしょ…。」

どうやら彼女は俺が部屋に入っていることに気が付いていないようだ。

俺はそっとドアを閉めてからしばらく見ていると、

何やらモゾモゾしながら呟いていた。

「昨日はから…もっとバレないようにしないとねッ!」

俺はその言葉を聞いて困惑した。

(え…ってどういうこと?昨日?俺、何かしたっけ?)

俺が一人、パニックになっていると彼女はまた呟いていた。

「鈍感なアイツでも、流石にはバレるよね。失敗したなー。」

俺はその一言でピンときた。

(本棚ってことは多分、だよな。

つまり如月きさらぎさんがあの盗聴器を仕掛けた犯人って事⁉)

そう思った瞬間、俺は叫んでしまった。

「な、なにしてるんですかぁーーーー⁉」

俺の声にびっくりしたのか彼女は多分

ベットの木枠に額を思いっ切りぶつけたのか、

―――ゴンッ

ていう音を部屋に響かせていた。

その後、彼女はピタッと動きを止めた。

「え、えっとー如月きさらぎさん?」

俺は何て言葉をかければいいかわからず、取り敢えず彼女の名前を呼んだ。

しかし彼女は依然、とも動かない。

俺は動かない彼女を見てパニックになった。

(へんじがない、ただのしかばねのようだ…………

って何考えてんだ俺は………取り敢えず、引っ張り出さないと。)

俺は彼女の足を持ってベットの下から引っ張り出した。

何とかベットの下から引っ張り出すと

彼女は額にたん瘤が出来ていて気を失っているようだった。

(取り敢えず、冷やさないと!保冷剤は…えっと…

1階にあるから…取ってくるか…)

俺は彼女を自分の枕に寝かし保冷剤を取りに向かった。

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