第19話  帰宅

ガチャ―――

「…ただいま。」

俺は自宅のドアを開け、小さく呟いた。

玄関を見ると弥生やよいの靴がない。

弥生やよいは…まだ帰って来てないみたいだな。)

俺はさくらちゃんとの会話を思い出していた。

――――3分前――――

図書委員の当番が終わった帰り道で俺とさくらちゃんは気まずい雰囲気になっていた。

理由は勿論さっきの図書室でのことだった。

「先輩…。」

先に口を開いたのはさくらちゃんだった。

「ど、どうしたの⁉」

俺は驚き方をこわばらせて彼女の方を向いた。

彼女はこちらを向き、上目遣いで俺の顔を見ながら言った。

「私がバラした事、絶対に弥生やよいちゃんに言わないでくださいよ。」

俺はその言葉を聞いて、

(なんだそんな事か…)

と思い、肩の力がスッと抜けていった。

俺は彼女の顔を見ながら笑顔で言った。

「勿論、言わないよ。」

俺がそう言うと彼女は

「絶対にですよ!ぜ・っ・た・い・に言わないでくださいね!」

と念押しいていた。

「分かったって…」

彼女は俺がバラす気がないとわかると安心したのかホッと一息ついた。

その後は彼女と他愛のない話をした。

そうして帰宅したのだが、弥生やよいが帰ってきていないので俺は自室に向かっていた。

(取り敢えず、弥生やよいが帰って来てから聞いてみるか…)

俺はそう思いながら自室のドアを開けた。

俺はドアを開けた先の光景を見てした。

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