第18話 事実

俺は恐怖した。

(誰がどうやって俺たちの事を見ているんだ?)

そう思ったと同時にある考えが思い浮かんだ。

(桜ちゃんは情報提供者との約束って言っていたよな…

つまり、その情報提供者の事を聞けば、何か分かるかもしれない…。)

俺はその考えを実行する事に決めた。

さくらちゃん…どうやったら話してくれる?」

俺は彼女の目を見つめて優しくも迫力ある声で言った。

「話しません…例え先輩でも…」

彼女は俺の雰囲気に圧倒されたのか少し俯いたが話さない。

俺は続けた。

「どうしてもその情報提供者の事を教えてくれないんだね?」

彼女は俺のしつこさに耐えかねたのか、さっきとは打って変わり俺の顔を睨んだ。

「絶対に教えません!例え先輩でも、との約束は守ります。」

彼女はキッパリと言い放った。彼女の目には強い意志を感じた。

俺は彼女の態度を見て一か八かの賭けに出ることにした。

(あの子って言ったよな…。じゃあこれでわからなかったら諦めよう。)

俺は覚悟を決めて、彼女の顔を見つめ言った。

「そのっていうのは……

―――の事かな?―――」

俺がそう言うと彼女は一気に青ざめた。

「何で…分かったんですか?」

彼女は青ざめた表情のまま少し震えながら言った。

俺はその事実を理解し、天を仰いだ。

(当たったよ…マジか……当たってほしくない人だったんだけどな。)

俺は彼女の方を向き、言った。

「何となくだけど…

君と親しい人でそんなことするのって弥生ぐらいだと思ったから。」

「そう…なんですね。」

今さっき咄嗟に思いついた理由を言ったのだが、彼女は納得したようだった。

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