第17話 図書室での会話

「そういえば先輩、何を読んでるんですか?」

さっきまでの空気とは打って変わって、

さくらちゃんは俺が今、読んでいる本について聞いてきた。

「あぁーこれね。椿つばき あや先生の推理小説『小夜啼鳥さよなきどり花時計はなどけい』ていう本。」

俺は本に着けていたブックカバーを外して見せた。

「どんな話なんですか?」

彼女は本の表紙を見ながら、興味深々という表情で聞いていた。

俺は話をかいつまんで話した。

「えっとー、この話はね…連続殺人犯と探偵の話でその連続殺人犯は必ずを残しておくんだよ。探偵はその花時計に隠されたヒントの謎を解くっていう話。」

彼女は俺の話を、目を輝かせて聞いていた。

彼女は俺の話が終わると

「面白そうですね!私も読んでみたいです。」

と、彼女は少し前のめりになりながら言った。

俺はなんだかうれしくなり言った。

「じゃあこの本あげるよ。丁度、読み終わるところだし。」

「いやいや、悪いですよ。」

彼女は断ったが俺には少し我慢しているように見えた。

「いやーこの本読み終わったら売るかあげるかしようと思ってるから、

貰って欲しい。俺より大事にする君だからこそ貰って欲しい。」

俺がそう言うと彼女は顔を赤らめ俯いて本を受け取った。

すると、彼女は小さな声で言った。

「あんなに素敵な恋人がいてハグしていたのに………どうして私に………」

俺はその言葉を聞いて

近くにいた俺でも殆ど聞き取れないような声量で言ったと思うが、

しっかりと俺はその言葉を聞き取った。

「え…どうして君が…知ってるの?」

俺の問い掛けにしたのか彼女は慌てて顔を上げた。

「え、えっとーそれは…。」

俺はしどろもどろになっている彼女の肩を掴みもう1度問い掛けた。

「どうして君が知っているんだ?」

俺の問い掛けに彼女は冷静になったのか俺の目をジッと見つめてきた。

そして、問いかけに応えた。

「それは言えません。との約束があるので。」

俺はその言葉を聞いて確信した。

俺たちの様子を伺っていたんだッ!)

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