作家には、猫が必要なんだ。

 書店員の女性主人公は、女性向けノベルゲーム好きだった。そして、そのゲームに出てくるキャラクターの2.5次元俳優のファンだ。そんな彼女のもとに、いつも無駄に長居する、自称ミステリ作家がいつもやってくる。どうやら書店では、主人公がその自称ミステリ作家の担当だと思われているらしい。主人公にとっては、迷惑千万だ。
 しかし困ったことに、主人公が好きな2.5次元俳優と、その自称作家は顔が似ていた。そのため、主人公は自称作家にキャラクターのセリフを言わせてみる。だが、キャラクターボイスとかけ離れていて、げんなりする。
 そんな自称作家が、突然「猫の本」を探しに店を訪れる。何でも「作家には猫が必要」なのだそうだ。しかも主人公の好きなゲームに、ある質問をしたことから、主人公はある行動を起こす。しかもそのせいで、主人公にある変化が……。
 超面倒な自称作家と、超現実逃避型書店員の日常を描いた本作。
 二人のやり取りが癖になりそうな一作だ。

 是非、御一読下さい。