第17話 人とのつきたいかた

 人生てのはそれしか無いのかもしれませんけど。

 

 職場でストレスチェックシートというものをもらいました。

 三種類の円グラフにそれぞれ項目があってウンタラカンタラ書いてました。

 

 ストレスあるかもしれないので注意してくださいねと書いてありました。

 

 毎年もらいますが、4年連続で活気の項目が1でした。数字が大きいほどストレスが無いそうです。

 先輩からはお前に活気など無いわと言われましたけれど、そうなんでしょうね。ちなみにその先輩のチェックシートの円はほぼ全開でした。お気楽のーてんきとはこのことです。

 

 先輩は仕事ができますし、段取りもよく人当たりが良くて何事も円滑に進めていきます。微妙に馬鹿そうにしているのはわざとなのか素なのかよくわかりません。たぶん素なのはバレてきています。


 それは別にどうでも良いんですけれど、世の中を渡っていくにはコミュニティの形成は必要不可欠なものです。


 インターネットの世界も当然それに含まれていて、顔の見えないもの同士あーでもないこーでもないと文字とにらめっこをしているわけです。


 こうしていると、文章にもなにか人柄を感じますし目立とうと頑張ってるのかなぁとほほえましかったり、ためになったり、和んだりいろいろと見えてくるものもあるのか無いのかわかりません。


 まあ、コメントを頂くのは大層喜ばしいことで、何にも変えがたいものであったりします。


 ただまあ、それだけで人生が彩られているのかというとそうではなく先輩とやんややんやと話したりとなりのおば、お姉さんに黒酢を買ってもらったり、仕事もしていてアホで嫌な相手とお付き合いをしたりしたり、友達と飲み食いして買い物のしたりして生きているわけです。


 中道精神で生きていますので、なにかに偏ることはあまりしたくないものです。


 一人の時間も大切にしたいし、誰かと繋がることも大事にしたいです。

 嫌な相手もそれはそれで、それ相応の距離をとりたいものです。


 嫌なのなどうかと言われたら別にどうということはないのですが、お年寄りになればなるほど難しいこともあったりします。


 わりと思い込んだら譲らないところがあるようなきがします。

 歳のせいなのかどうかはわかりませんけれど、根拠があることに対して自分が出した答えを正しいと思い込むのです。


 今時そんなのあるのかと、思われるでしょうけれど、紙にマジックで手書きでかかれた2と5のカードがありました。


 それをそれぞれ荷物に振り当てていて、それを出庫したら2と5を用紙に手書きでかいて、カードと一緒に事務のおばさんにわたすのです。


 おばさんも定年過ぎていいとしなんですけれど、二年まえからそこに居ます。単純な作業ですし、いろいろと合わすだけなので恐らく苦はなかろうとおもいます。


 その2のカードがなんというか、独特な書き方をしていて5を鏡で写したような形をしていました。それでその2のことは印象的でした。


 それでまあ、自分の不注意で5のカードを落としていたのでそのカードをあらためて持っていきました。


「ごめんなさい5を落としていてもってきたんですけど」

「あら小万坂さん。あなた2を5と間違えてたからカードにちゃんと2って漢字で書いておいたわよ」

「あーあれ、変な形でしたね。有難う御座います。ややこしいですからね。それで5をもってきたんですけど」

「だからあなたが5を2に書いてたから用紙も直しておいたわよ」

「いや、あの2は変だったので書いたのを覚えてます。5はちょっとおぼえてないので、いつ落としたか定かではないですけど、カードがあるのでそれを直したらだめじゃないですか?」

「だから2を5に間違えてたから直したのよ」

「2は2で5は5の筈ですよ」

(なにいってんだこいつ)

 とお互い思ったことでしょう。


 カードと用紙と元の伝票と照らし合わせても、おばちゃんはしばらく納得いかないようでした。

 2は2で書いていますよと言っても自分の勘違いを勘違いだったとなかなかわからないようでした。

 別に責めるつもりもなんもなかったんでゆっくり説明してみましたけれど、ちょっと面倒くさかったです。

 自分が2と5を間違えているという条件ならば、おばちゃんのやっていることは正しいので自分は相手のやっていることを直ぐ理解できたのですが、思い込みというのは怖いものです。

 普通に気のきくいいおばちゃんなんですけどね。


 振り込め詐欺が横行するのがよくわかりました。

 なんというか、人の弱味強みというのは色々ありますけれど、弱味に漬け込むような人間にはなりたくないものです。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る