アナログとデジタルの交差点

 主人公が抱く気持ちのうねりは、本人にとってはアナログだが我々にとってはデジタルだ。
 作者は、まるで感性を持つコンピューターのようにその二つを自由自在に変換せしめる。主人公の相手が浮かべる仕種一つ一つにそのコードが現れている。
 当初、主人公は余りにも鋭すぎるアンテナを持つが故にかえって『拾い漏れ』を起こしていたのだろう。それが、彼のさりげない行為で調整と解析を果たしたのである。
 必読本作。

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