数学って一度つまずくと二度と出来る気がしにゃいよね

 保健室へ遊びに行き、アール先輩の夢を壊した翌日。

 今日もにゃんとかギリギリ寝にゃいで授業を受け、無事に放課後を迎えていた。


「エルラル! 一緒に図書室でお勉強しにゃい?」


 やっぱりテスト期間と言えば図書室でのお勉強デートが定番!

 昨日はロラン先輩と一応会ったけど、勉強はできにゃかったし、今日こそリベンジするんだにゃ。

 でも……


「悪いけど却下ね。図書室とか、なんか落ち着かないし……」


 ニャアのお誘いは素気無すげなく断られてしまった。


「そんにゃ〜」

「悪いわね構ってあげられなくて。わたしも補習はゴメンだから必死なのよ」

「べっつに〜? 一緒にやってあげようかにゃ? って思っただけに。寂しいとか思ってにゃいし! エルラルがダメにゃら一人でやるからいいにゃ」

「あっそ」


 ニャアのツンデレ風トークはカケラもエルラルに刺さらなかったようだ……無念。

 さっさと荷物を片して帰路に着いたエルラルを見送って、ニャアものんびりと図書室に向かう。


 今日はどの科目を勉強しようかにゃ〜にゃんて考えていると、図書室の前で人目を引く二人に出会った。


「カルム先輩、ガルレイド先輩! こんにちは!」

「やあ、マオちゃんこんにちは。今日もカワイイね」


 サラッと褒めてくれるガルレイド先輩と、一瞬だけ視線を向けるカルム先輩。

 まさにいつも通りの二人だけど、今日は初めて見る夏服で、印象がちょっと違って感じる!


「にゃはは、ガルレイド先輩もカッコいいにゃ! というより、チャラいにゃ?」


 夏っぽい爽やかなTシャツの上にシャツを羽織ったスタイルのガルレイド先輩。首元で光るシルバーのネックレスと、普段は長袖に隠れて見えにくいブレスレットや指輪が存在を主張していて、一層チャラく見えてしまうにゃ。


 それに対してカルム先輩は、シャツ一枚だけどボタンの止め方がやる気にゃくて、胸元もおへそもチラチラ見えちゃうにゃ! ちょっと不良っぽいスタイルにゃ!


「え? そんなにチャラいかな? もしかして、おかしい?」

「いんや、めちゃめちゃ似合ってますにゃ!」


 ニャアの言葉に、不安そうな顔をしていたガルレイド先輩が「なら良かった」と破顔する。


 んぐっ……笑顔が眩しいっ! 顔が良いっ!!


「そういえば、図書室の前にいるって事は、もしかして先輩達もここで勉強しに来たんですにゃ?」

「うん、そうだよ。もって事は……マオちゃんも?」

「そうですにゃ!」


 思いの外早くやってきた『お勉強デート』のチャンスに、ニャアも興奮して鼻息が荒くにゃりそうにゃ。

 エルラルに断られた時、そのまま帰らにゃくて良かった!


 この好機、逃す手はにゃい。

 ニャアは渾身の上目遣いで、ただし嫌らしくにゃらにゃい様に……


「じゃあ、じゃあ! ニャアもご一緒して良いですかに?」


 誘われ待ちにゃんてニャンセンス!

 積極的に動かにゃければ恋のチャンスにゃんて来にゃいのだ。


「だって、どうする? カルム兄」


 ガルレイド先輩がチラリとカルム先輩に目線をやると、カルム先輩はプイッと顔を背けてしまった。

 

 ガーンだにゃ! ニャアはお断りって事ですにゃ!?


「えっとね、大歓迎だよってカルム兄が言ってる」


 う、嘘だっ!!

 そんにゃ風には見えませんけど!!


「じゃあ中入ろっか、マオちゃん」

「あ、はいですにゃ!」


 ちょっと腑に落ちにゃいところはあるけれど、無事お勉強デートができるにゃらにゃんでも良し!

 余計にゃ事は考えず、この時間を楽しもうとニャアは決めた。



 ………………

 …………

 ……



 図書室は試験期間前だというのに、思っていたよりも人が少にゃく、まだまだ机の空きがあった。

 先輩達は隣同士で、ニャアはその向かいに座る形で図書室の一角を陣取る。


 ……はぁ、真剣にゃ顔の先輩も良いにゃ。


 静かにゃ室内で無駄話する勇気はにゃく、学年が違うから勉強している内容も違う。

 開始早々に、ニャアが思い描いた様にゃイチャイチャお勉強デートににゃらにゃいと気づいたけど、まあ良いにゃ。

 二人が勉強している姿にゃんて、普段は見ることにゃいしね!


 ニャアも今日勉強しようと思った数学の問題集を解きにゃがら、チラチラと先輩達の様子をうかがった。

 ガルレイド先輩は机に沢山の過去問を並べ、真剣にノートにまとめている。

 それに対してカルム先輩は、たった一枚のプリントを前にうつらうつらと船を漕いでいた。


 ……大丈夫ですかにゃ?

 ニャアもあまり人の事は言えにゃいけど、この勉強態度の差にちょっと心配ににゃっちゃうに。


 人の事は言えにゃいけどにゃ!!


 ニャアは自分の問題集に視線を落とした。

 リベルんが授業で言っていた。この問題集のテスト範囲にある問題が全て解ければ、合格は容易いと。


「……分からんにゃ」


 あまり寝にゃいようにしていたけど、数学にゃんて拒否反応が半端にゃくてかけらも頭に入っていにゃいに!

 正直一問目から分からにゃくて既に心が折れそうだ……


 にゃんでアルファベットの組み合わせから数字の答えが出るんにゃ? 意味分からん。


 ……ええいっ! こうにゃったら必殺の『教えてください』作戦にゃ!!

 分からにゃい事があったら聞く! リベルんも授業中に言ってたにゃ。

 そして今はお勉強デート! つまりやるべき事はただ一つ!


 もう一度二人の様子を確認する。

 ガルレイド先輩は相変わらず真面目に勉強をしているし、カルム先輩はとうとう突っ伏して寝はじめてしまっている……


 う、ゔーん。聞きにくい。


 でも折角の機会だし、正直聞かにゃいにゃんて選択肢はにゃい。

 だからどうしよう。忙しそうだけど起きているガルレイド先輩に聞くべきか、寝ているだけのカルム先輩に聞くべきか。

 それとも二人には迷惑かけにくいから、リベルんのとこへ聞きに行くか……


 さて、誰に聞こうかにゃ……?


①ガルレイド先輩に聞く。

②カルム先輩に聞く。

③リベル様に聞く。



─────────────────


 ノベルアップ+の連載においついてしまったので、これより不定期更新になります。

 

 選択肢についてですが、ノベルアップにてアンケート機能で集計をしていますので結果に反映はできませんが、コメントにて自分ならこれを選ぶ! など書いて頂けると嬉しいです。


 よろしくお願い致します。

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