もしかしてこれが棚ぼたってやつかにゃ?

 キンコンカンコ〜ン♪ 


 予鈴が昼休みの終わりを告げ、ニャアはロランと分かれて教室に戻った。

 いろいろあって褒め忘れていたけど、半袖ににゃって見えるようにゃったロランの筋肉は、にゃかにゃか良かったにゃ! 

 さすが剣道部ってだけあって腕はムキムキだったし、色白イケメンが多い中で健康的に焼けている肌は、もうそれだけで美味しい! 

 ニャアは雑食にゃもんだから、綺麗にゃ白い肌もカッコいい焼けた肌も美味しくいただけちゃうんだに。もぐもぐ。


 はぁ〜楽しい昼休みを過ごせたし、これで午後の授業も頑張れそうにゃ! 



 ………………

 …………

 ……



 はい! やってきました放課後!! 

 午後の授業シーンはモブリーヌ先生の古典文学始め、特筆するべきものはにゃかったからオールカットするにゃ。


「エッル〜ラル〜放課後〜だにゃ!」

「何よマオ。妙に浮かれているわね……」


 元気良く声を掛けただけにゃのに、何故かエルラルに引かれてしまったにゃ。解せぬ。


「だって今日から部活も禁止だし、何も予定がにゃい自由にゃ放課後にゃんだに?」

「テスト勉強っていう予定があるでしょ。遊ぶなら一人でしなさいよ」

「いやまあそうだけどさ〜」


 まだ一週間もあるしにゃ〜とか思っちゃうニャアがいた。

 何せ午後の授業をしっかり受けた今のニャアは、怖いもの知らずの無敵タイムに突入しているからにゃ! 

 いつも寝てる時間に寝にゃかったから深夜テンションにゃんだに! 


 でもエルラルはテキパキと荷物を片付けていて、これはもう速攻で帰る態勢だ。


「そうだエルラル〜! 日本語の問題出してあげるにゃ」


 返事も聞かずに適当にゃノートに『親切』って書いてエルラルに見せる。


「この単語の意味はにゃ〜んだ! ちにゃみに一文字目は『parent』二文字目は『cut』だに」

「はあ? 何それ」


 にゃんと言うか悪意しかにゃいニャアの解説を受けて、エルラルは自信満々に答えた。


「答えはもちろん、クズね!」


 うんうん。これが日本語初心者クラスの回答である。

 字面だけ見ればそうにゃるよね。分かる分かる。


「どう? 正解でしょ?」

「字面からの発想としては……正解かにゃ!」


 意味は真逆にゃんだけどね。


 前半の部分を小声で、正解の部分を強調してニャアは答えた。

 だって本当の答えを言ったら何かキレられそうにゃ気がするんだもん。

 にゃにより、ドヤ顔にゃエルラルの表情を曇らせたくにゃいし……知らにゃい方が幸せにゃ事も世の中にはあるにゃ。


 うん、これは保身じゃにゃいにゃ。

 嘘も方便だに。


「マオ? 何よその微妙な表情」

「いやぁ、一発で正解されて悔しい〜的にゃ?」

「ふふん、当然よね!」


 とりあえずエルラルが可愛いからニャアは考えるのを放棄した。



 ………………

 …………

 ……



 結局『親切』の語源が気ににゃったニャアは、保健室の前にやって来た。

 そう! 日本語の問題は日本人に聞けば良いと思ったんだにゃ! 

 本当はソルディオ先生に聞いたり、今時だからスマホってサクッと検索しちゃえば早いんだろうけどさ……ふと、思っちゃったわけよ。


「ヒサメんに親切の語源を聞いて、分からにゃかったらめちゃくちゃ悔しがるんじゃにゃい?」


 ってね! 

 悔しがらにゃくても、日本人にゃのに日本語も分からにゃいの〜っていじることもできるにゃ。

 ……にゃふふ。性格が悪いとか言うことにゃかれ! 

 ちにゃみに、エルラルは保健室に行くと言ったらさっさと帰っちゃったにゃん。勉強に専念するんだって。


 コンコンとノックを決めてドアを開ける。


「失礼しま〜す!!」

「おや、マオさん」


 にゃんと、出迎えてくれたのはアール先輩だった。

 部活禁止期間は委員会活動もにゃいはずにゃのに! 


「お怪我ですか? それとも、体調を崩されましたか?」

「ニャアの体調はバッチリのオールグリーンですにゃ!」


 いると思っていにゃかったアール先輩の登場に、にゃあのテンションも爆上げだった。

 ちょうどこのテスト期間、どうすればアール先輩に会えるかにゃ〜って考えてたところだし、本当にラッキー! 


「ふふ、マオさんは相変わらず元気が良いですね」


 アール先輩に招かれて、保健室の椅子に腰を下ろした。

 コポリと、先輩がニャアにお茶を淹れるために、お湯を準備する音が響く。


 にゃああ〜不純な動機だったけど、保健室に来て良かった!

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