わいじゃぱにーずぴーぽー

「ニャアが書く手紙は、ちょっと考えたいから待つにゃ!」


 サクッと決められると思った宛先だけど、今ニャアの中で二つの選択肢で揺らいでいるにゃ! 


 とりあえず三つある選択肢の中で、真っ先にボツにしたのはソルディオ先生宛。

 ソルディオ先生は大好きだけど……大好きにゃんだけど!! 

 まだ、お手紙書けるほど愛を育めていにゃいと言うか、まだ出会って二ヶ月ちょいですしおすし? 

 ラブレターを書くにゃら中途半端にゃ気持ちではできにゃいよね! うん。

 これは逃げじゃにゃい。にゃいったらにゃい! 


「ソルディオ先生に書こうと思ったけど、ちょっと厳しいと思うからやめるにゃ!」

「む、そうか? 担任なら、日頃の感謝はまだ日が浅いから書けないにしても、今後の抱負などネタに困らないと思うが……」


 次に考えたい選択肢は、ロラン先輩宛! 

 ロランに書くとか正直ネタでしかにゃいし、書く内容も全然思いつかにゃいんだけどね。

 でもほら、自分宛に手紙? トゥンク。みたいにゃ展開を、ニャアは期待してるわけで……


「ロランロラ〜ン。ニャアはロランに書くにゃ!」

「先輩をつけろ。で? どんな内容を書くつもりなんだ」

「えっ、えーとね。うーんと……」

「はぁ、思いつきで決めるからそうなるんだ」


 あっ、ダメだコレ。

 ちょっとシミュレートしてみたけど、どう考えても好感度が下がるやつ! 

 てかそもそも、ロランがニャアに対するわけだから、そんにゃ相手から手紙貰っても嬉しくにゃいよね。

 にゃはははは! 


「ロランには書けにゃいにゃ。書くことにゃいし」 

「おい」


 とにゃると、選べるものはただ一つ。


「ズバリ、ニャアが手紙を書く相手は両親! ダディとマミィ宛にするにゃ!」

「ふむ、良い心がけだな。ご両親に日頃の感謝をしたためると良い」

「分かったにゃ!」


 想定通りの好感触。計 画 通 り!! 

 真面目にゃロランには、やっぱり真面目にゃ答えが一番だにゃ。

 あとはロランと手紙の内容をイチャイチャ考えて〜


「決まりだな。後は自分で文面を考えると良い」

「にゃっ!? ロランが一緒に考えてくれるんじゃにゃいのかに?」

「そうは言ってもな……ソルディオ先生クラスと言うことは、日本語はマオの方が得意だ。自分の出る幕はない」

「にゃん、ですと……!? あの教えてやるはにゃんだったんですか!」


 こんにゃの想定外だ! と、ニャアは抗議の声を上げる。

 だがこの男、「手紙の方向性を教えただろう?」にゃんてぬかしやがった! 

 違うにゃそうじゃにゃい。

 ニャアは隣に座りあって、キャッキャしにゃがら教えられたかったんにゃ! 一緒に手紙の内容を考えたかったんにゃ!! 


 チラッと、時計を確認する。

 お昼休みが終わるまで、まだ少しの猶予があった。

 このまま終わりにしてたまるか! 

 せめて、昼休みいっぱいはロランとお喋りを……


「あっ! そういえば、ロランは英日辞典にゃんて借りてどうするんだに? やっぱり日本語の勉強にゃ? それにゃら日本語がめちゃくちゃ得意にゃニャアが教えるにゃ!?」


 咄嗟に出た言葉にしては、上手いこと言えた気がするにゃ。

 日本語力を理由に教えられにゃいとか言うのにゃら、逆手にとって攻めてみる。

 ちょうど辞典を取ろうとして始めた会話だしね。


「気持ちはありがたいんだが……」


 あまり乗る気じゃにゃい反応が返ってきた。

 やっぱり後輩に教えを乞うのは、はばかれるのかにゃ? 


「自分は『親切』という単語の由来を調べたかっただけだ」

「何故に?」

「何故ってお前は不思議じゃないのか? 

『親』を『切る』と書いて『親切』だぞ? 

『親切』というのは『Kindness』の意味じゃないのか? 

 日本人は親を切られて喜ぶのか? 恐ろしすぎるだろ……」


 一息に語られたロランの疑問を聞いて、ニャアも確かにと思った。

 だいたい『親切』の単語についてとか、今まで考えたこともにゃかった! 


「でもとりあえず、今のセリフの冒頭に『Why Japanese people!!』ってつけてもう一回言ってくれません?」

「……何言ってるんだお前は」


 まあそんにゃネタが通じる訳もにゃく、当然のように白い目で見られた。



──────────────


ロランの こうかんどが 1あがった!


①両親          44%

②ソルディオ先生    12%

③ロラン先輩    44%


①と③が同票であったため、より良い結果になる選択肢が選ばれました。






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