六月 ーテスト勉強編ー

あれ、次の授業は何だっけ?

 五月が過ぎ去り、六月に入った。

 今日から衣替えだから、半袖から覗く二の腕が眩しい季節の到来にゃ! 


「行くわよ、マオ」


 朝迎えに来てくれたエルラルの輝く肌とお胸に、ついつい目線が行ってしまう。


「にゅふふ……」

「マオ?」

「にゃんでもにゃいに!」


 校門では口煩いロランも半袖ににゃっていた。

 ムキムキの二の腕……良い! 

 だてに剣道部で鍛えているわけではにゃいようだ。


「うむうむ、にゃかにゃか」

「何をブツブツ言っているんだ、マオ。早く入らないと遅れるぞ」

「はーい」


 ニャイスにゃ筋肉をバッチリ心のメモリーに収め、エルラルと一緒に校舎に向かう。

 ニャアは自他公認の面食いだが、実は柔肌と筋肉も大好物にゃのだ!! 


 だから、エルラルと駄弁りにゃがら教室に向かう最中も、ニャアの目はすれ違う皆の肌と筋肉を堪能する。

 でも、あれ……? 


「にゃんだか、今日は皆ピリピリしてる気がするにゃ?」


 衣替え嫌だったのかに? 

 先週までとはどことにゃく、雰囲気が違う気がするのにゃ。


 にゃんだろにゃ〜ってニャアが首を傾げていると、エルラルがあからさまにため息をついてきた。


「テスト一週間前だからよ」

「……にゃにそれ初耳」

「でしょうね、あんたずっと寝てたもの」


 にゃ、にゃ、にゃ、にゃんですと──!?!? 


 思い返してみれば、確かホームルームでソルディオ先生もそんにゃこと言ってた気がするにゃ! 

 ア"ア"ァ"ァ"ア"最近はイケメンを見るためだけに学校通ってたから、授業何も聞いてにゃい!! 


「ちなみに、赤点取ると土日返上で補修コースよ?」

「はぁ!? 正気ですにゃ!?」

「嫌ならちゃんと勉強すれば良いの」

「いや、でも……普通に大ピンチにゃんですけど」

「バカね、寝てるのが悪いのだわ」

「そんにゃぁああ〜〜!!」


 自業自得だけどさ、エルラルのつれにゃい対応に涙がちょちょぎれそうだにゃん! 

 そりゃあ、土日返上とか言われたら皆勉強するよにゃ……

 一週間前はピリピリもするよにゃ!! 


 はぁ……今からでも間に合うかにゃ? 


「一年の最初だからまだ基礎的な話ばかりだったし、やればなんとかなるんじゃない?」


 ちにゃみ赤点というのは、平均点-20点以下のことらしい。

 皆がやればやるほどボーダーが上がるシステム。何それ怖い。


「うぇーん、エルラルぅ勉強教えてにゃ〜」

「嫌よ」

「そんにゃぁあ!?」


 仕方ないわね、くらいの対応を予想していたニャアの心に大ダメージ! 

 不真面目にゃ子には慈悲にゃんてにゃいと言うのか……! 


 燃え尽きたぜ……真っ白ににゃ……


「ちょっと! そんなに落ち込まれたら、わたしが悪いみたいじゃない! 教えられるほど勉強に自信があるわけじゃないだけよ」

「にゃるほど、エルラルはバカっと……メモメモ」

「喧嘩なら買うわよ!?」


 すかさず胸倉をつかんでくるワイルドにゃエルラルを、まあまあとにゃだめる。

 完璧無欠の美少女より、ちょっと弱点がある美少女のほうが親しみやすくてかわいいにゃ? 本当だにゃ? 


「うっさい! もう知らないわよ。せっかくノートなら見せてやっても良いとか思ってたけど、なしよ! なし!」

「やだ~エルラルってばツンデレにゃんだから!」

「はあ?」

「ごめんて! そんにゃこと言わずにゃ? にゃ?」

「どうせバカだもの。バカのノートなんて見ないほうが良いわ」

「でもそんにゃところが可愛いんだに」

「否定しなさい!!」


 エルラルも別に本気で怒っているわけじゃにゃいと知っているからできるこの戯れ。

 にゃふふ、ニャアたちはとっても仲良しだに! 

 その証拠にエルラルが、「今週くらいちゃんと授業受けたら、見せてあげなくもないわ」にゃんてブツブツいっている。


 ツンデレだにゃ〜可愛いにゃ〜


 まあでも確かに、学生の本分を思い出して、せめて今週くらいは真面目に受けにゃいとにゃ〜って思うにゃ。

 ニャアは今からでも本気を出せる子! 

 じゃあ、早速……


「って言いたいところだけど、次って何の授業だにゃ?」

「アンタねぇ……」


 エルラルの目が諦めを通り越して、可哀想にゃものを見る感じににゃっていた。

 うっ、ごめんて……


「そうね、次の授業は──」


 はあ、とため息をついて出たエルラルの答えは……


①数学

②第二外国語(日本語)

③体育



–––––––––––––––––––––––––


 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

 これより本編が開始し、ストーリー内に選択肢がでてきます。

 カクヨム版では、ノベルアップ+にてアンケート機能を用いて実際に行われた選択肢投票の結果をそのまま反映します。

 つまりこちらでは選択肢投票を行いません。


 『あなたの一票で、物語のいく先が変わるかも?』 選択肢投票イベントは、ノベルアップ+版を読みに来ていただけると幸いです。


 大変申し訳ありませんが、どうかご了承下さい。

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