第2話 後輩が一晩泊まるそうです


「買って来たぞ」


俺は千崎に頼まれていたゲームを買ってきた。俺の分ももちろんある。


「ありがとーーーーー!!!先輩だーーーいすき!」


部屋のドアを開け、ゲームを買ってくるや否や満面の笑みを浮かべ千崎が抱きついてきた。豊満な胸と甘い香りがただよいクラクラしてきた。


「それってどういう?」


「え?どゆことですかー??」


もちろん大好きと言った部分で。本人がわからないならこれ以上は聞かないでおこう。


「なんでもない。それより早くやろうぜ」


「うん!やりましょー」


部屋にあるps4の電源を入れ、ディスクを挿入する。テレビをつけて、ゲームの開始画面が映し出された。


「楽しみです!」


「そうだな」


「あっっ!!そういえばー。私先輩の部屋でゲームやるんだからソフトいらなかった!今日は家帰らないですし」


今更気付いたかのように、千崎は言う。


「確かにそうだなってちがーーーう!!思わず同意しそうだったわ。俺は良いんだが、千崎は帰らないとまずいだろ」


千崎はいつも夜の8時になったら帰るのだが、今日は帰らないと言っている。流石に高一の千崎は帰らないとまずいだろ。親も心配するし。


「今日はね。親が箱根旅行に行ってるの。だから、家に帰っても誰もいないんですよ」


「でも」


「大丈夫ですよ。朝帰りしますし〜」


それもなんかまずい気が...。


「寝る場所は一つしかないぞ」


「それも大丈夫ですよ〜一緒に寝ますし〜」


「俺とベットが一緒でいいのか?」


「へーきへーき。先輩とならむしろ嬉しいです」


「それってどういう...」


「教えてほしいですか〜?」


「教えてほしい」


「え〜。しょうがないな〜」


「あ!それより今日寝ないじゃん。私、このギャルゲクリアするまで寝ないし、先輩も寝かせませんからね〜」


すでにインストールが終わり、ゲームがスタートした。


「わ!始まった!せんぱーーーーぃ。隣に座って下さーい」


「詳しく教えて欲しかった...。そうだなやるか!」


「はい!」


千崎は俺のことなどどうでもいいかのようにゲームをやるのだった。

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