第3話 見えない

映画でも、ドラマでも、ミステリーやホラーなどは特にそうだが、


画面の向こう側が夜だったり、薄暗い場所だったりすると、


観ているこちら側では、そこで何が起こっているのかよくわからないことがある。


そういうところが、私は好きではない。


暗いところで何かが蠢き、何なら事件が起こっていたりしても、


その詳細が、見えないのだ。


そこが肝心なのに……そう思うことがある。


だから私はリアルタイムでそうしたドラマを観ない。


映画は、観る。これは仕方がない。映画館で観るのだから。


ドラマの場合は録画して、その暗さの中で何が起こっているのか


目を凝らして何度となく繰り返し戻したりして、詳細を知ろうとする。


が、そこは暗くてよくわからない。


映画もテレビ放送がある場合、録画することが多い。


一度映画館で観たやつでも、暗い場面で何が起こっていたのか


それを探るためにも、録画したやつを戻したりして何度もその暗がりを観る。


が、やはり暗くてよくわからない。


なぜ、なぜここは暗くされるのだろう?


夜だから?暗がりだから?


『よく見えない』ことに、意味を持たせるためか?


私は、『そこ』が観たいのだ。たまらなく。


お願いだから、もう少しでいい、明るくしてくれ。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る