兄と妹、そして彼らを取り巻く人と神の物語。

神秘的な琉球王国を舞台に妹ククルと、新しく「兄」となった少年のお話が優しく、そしてせつなく紡がれていきます。
新しい「兄」であるユルへの戸惑いや葛藤と向き合いながら、ククルはそれでも時折感じるユルの優しさに心を許していく。けれどもユルはククルを利用しているとはっきり告げていて、二人の距離はなかなか縮まらない。
二人を取り巻く人物との関係性や、この世界においての神女や巫女の役割、人の世に干渉する神々など、ちりばめられた謎や伏線が気になって続きを読む手が止まらない!! 気が付くと深夜近くになることもしばしばでした。

第一部の八重島編で世界観を理解しどっぷりとハマって、本島編で一気に伏線回収というカタルシスが何とも言えず、読みながら「ほぅ……ほぅ……」とよく分からない感嘆の溜息をついてました。(勿論心の中でですよ!)
そして本島編での見所がもうひとつ。それはククルの成長です!
兄を失って泣いてばかりいたククルが、もう「兄」を失うまいと強く立ち向かう姿に心打たれました。その辺りも楽しみながら読んでみてはいかがでしょうか?


第一部のラストも衝撃でしたが、私はこの終わり方も美しくて好きです。
このまま完結と言ってもいいくらい、話自体は綺麗に纏まっていますが、どうやら第二部もあるみたいですよ♪

第一部とは変わってしまったククルとユル。
二人が新しい世界でどのように話を紡いでいくのか……またあの神秘的な世界を堪能できるのかと思うと今から続きが楽しみです!


後は個人的にですが。
地の文がそこまで多くないのに情景が分かるって凄い!
そしてとても読みやすい文章で、きっとあっという間に第一部を読了することと思います(*^-^*)

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