(4)

 誘拐されていた子供達は、こっちのトラックに移されていく。

「気を付けて降せよ」

 パワーローダーの操縦士も、救出済みだった。

「えっ? 仁愛にあちゃん?」

「その……声は……レナ姉?」

「どう云うこ……」

「このトラックの護衛をすれば、弟は返してやると言われて……嘘だと思ったけど、逆らえば……」

「ロボトミー?」

「そう云う事」

「お……お姉ちゃん?」

「正義?……やっぱりか……」

「友達は無事だよ」

『正義君と……正義君のお姉ちゃんに……代って……』

 通信機から、ヒゥ君の声。

『ごめん……その……』

「謝る事ないよ。……小さい頃、死んだ父さんから言われてたんだ……。『ヒーローってのは、友達や見ず知らずの誰かを助ける為に、自分を犠牲に出来るヤツの事だ』って……。ボクは……父さんに言われた事をしただけだ……って格好付け過ぎかな?」

「父さんも、そのセリフ、知り合いから聞いたって言ってたんで……お礼を言うなら、どこかに居る、その父さんの知り合いかな?」

 その時、いくつかの足音が聞こえてきた。

「あ……遅かったね……。仁愛にあちゃんと正義君は無事だよ」

 あたしは足音の主が何者かを確認すると、やれやれと言った感じで声をかけた……。

 3馬鹿は、しばしの間、何かを話していたが……。

「あ……あぶねぇっ‼ 何やってるッ‼」

 あたしの目の前で、斧とハンマーを合せたような武器を振り上げ、絶叫しながら突撃してきた勇気と、その勇気からあたし達を護ろうとした今村君が激突した。

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