第18回 書き出し祭り感想
第18回 書き出し祭り/1-7『メイド、いりませんかっ?〜美人の同級生を助けたらメイド服で押しかけてきたんだが〜』感想
※小説家になろう様にて開催中の、第17回書き出し祭り参加作品への感想です。
王道のラブコメになりそうな雰囲気をビシバシ感じる作品でした。
ギャップ萌えの正ヒロインに、真剣にサポートしているつもりで斜め上を行く妹。
書き出し部分ではまだ出てきてはいませんが幼馴染と先輩はどういうポジションで行くんでしょうか……正ヒロインがややポンコツめいているので、チャラチャラ系と見せかけたしっかり者、とか妹ちゃんのアイデアを加速させて実現させちゃう系とか、振り回されてちょっと疲れた主人公を支えてあげちゃう系ガチライバルとか、そういう感じでしょうか。
幼馴染が負ける系の逆ハーですね。
2話目ですぐ幼馴染が家にきて、座ってるメイド二人に「はぁぁぁぁ?????(怒)」ってなってほしいです。
ザ・ライトノベル!といった感じで、表紙映えしそうな作品ですし、登場キャラクターが魅力的であれば伸びそうな気がしますね。
ただ、割と使い古された展開ではあるので、他の押しかけ系作品群とどこで差を付けるのか、オリジナリティの持たせ方が難しくもありそうです。
書き出し部分では主人公も好青年だし、ヒロインもその妹も可愛らしく、読後感爽やかな好感の持てるものに思えました。
サラリと読む分には、結構読みやすかったです。
感想を書くということで、じっくり再読したわけなんですが、そうすると少し気になるところがありました。
通り魔事件に思いを馳せる主人公、どうやらその現場にいたらしい。
そしてそこで何かがあったらしいということが書かれます。
冒頭部分だけ読んだ時、私はこう思いました。
(主人公は事件現場で犯人と接触していて、刑期が明けて出所した際に襲われるといった直接的な被害を被る可能性があるのかな)
かなり不穏な書き方であったので、結構深刻に捉えてしまったんですよね。
でも読み進めた結果、事件現場で起きたのは”犯人の目の前で立ち尽くしていた学年一の美人を突き飛ばしたこと”だと分かります。
確かに、作風的にライトなラブコメのはずなのに、初っ端からやけに重ための、サスペンスじみたエピソードを入れてくるなぁとは思ったんですよね。
なので、ちょっとその思い込みのギャップに引っ掛かりました。
主人公が、突き飛ばしたことのみにフォーカスしてしまい、”やらかした”風に捉えているのもやや違和感を覚えます。
そこは恐らく主人公の感覚とヒロインたちサイドの感覚のギャップを狙ってのことかと思うんですが、流石に主人公卑屈すぎやしないかと。
もしくは主人公にとってヒロインってそんなにも心が狭いというか、殺されたかもしれないことと突き飛ばされたことを天秤にかけたりせずに、ただ”突き飛ばされた”という実際に起きたことのみにフォーカスしてキレる人間に思われているの?とか。
作者様のなかで今後、その辺りを伏線的に回収するつもりがあったのだとしたらあれなんですが、割と疑問符が飛びました。
私だったら、冒頭で通り魔のニュースを見た時に、”女の子を突き飛ばした”記憶がフラッシュバックして、自分が咄嗟に取ってしまった行動と犯人への恐怖と女の子の体の温もり&柔らかさを思い出して「ああもう!」ってなっているところにインターホンが鳴り、玄関を開けた瞬間に今しがたフラッシュバックした記憶の中の少女が実際に目の前に現れた衝撃、みたいな流れで書いてしまうかなぁと思いました。
提出された書き出しのみだと、主人公の内面の設定がそんなに分からないので、そういう書き方だと支障があるのかもしれないですが。
とはいえ、読みやすく面白い作品だったなと思います。
妹ちゃんが空気を読まずに突っ走っていってほしいなぁ、可愛いなぁ。
感想を書かせていただきありがとうございました!
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