葉桜[夏]

人絶えし

虚に親しむ

葉桜や

季節の名残を

舞い上げる風


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 人間から見て、人がいない空間というのは何処か空虚に感じられるものです。同族がいないので寂しいというか、不安に感じられるのかも知れないですね。人間を拒絶しているようで。

 でも、人の滅多に訪れない環境というのは自然にとっては良いもので、本来の美しさがあるのだと思います。勿論、人工的な自然もそれはそれで美しいのですが。

 この歌は葉桜を季語としているので当然夏の話です。つまり季節の名残は春の名残です。春の名残って何だよ、とお思いでしょうが現実的な物質としては落ちた桜の花弁ですかね…。でも作者の想定としては空気感のようなものです。何かありませんか?匂いというか…何というか。そんな雰囲気を感じませんか?(この辿々しい感じは作者の努力の跡です。褒めてくれ)

 ところで関係無いのですが、人が死に絶えた空間みたいなものは大好きです。人間に対する拒絶感に美しさを感じます。

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