木枯らし[冬]

 群れる鳥

 ピーチクパーチク

 嘲笑う

 木枯らしに挑むは

 ただの一羽や


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 モチーフとしての鳥は好きです。動物としては梟とか鷹が好きです。梟、大好きです。(聞いていない)

 鳥が群れで生活するかどうかはその鳥に様々ですが、動物の世界では一般的に小さくて弱い動物は群れて生存率を上げる選択をしている事が多いように感じられます。天敵と会敵して、群れの一部が食べられても他の仲間が生き残ればいいというシステムですね。だから、多分この歌に書かれている鳥は小型で弱い種類の鳥なのでしょう。まあ、鳥にも寝る時だけ群れるとか色々あるそうですが。

 鳥の鳴き声って種類によって違いますが、どうでもいい時ってピーチクパーチクって表記しますね。ホーホケキョならウグイス、カーカーならカラスと鳴き声に特徴がある鳥はそう書くだけで特定できるのですが、今回の歌では特に特定する理由は無いので適当なピーチクパーチクです。後、なんか文句が煩い人の声をピーチクパーチクって表現しませんか?この次に「嘲笑う」が来るので聞こえる程度の声で悪口を喋っている感じがでていればいいなと思います。

 後半の木枯らしはそこそこ強い風というイメージから選んだ季語です。(多分、季語)流石にめちゃくちゃな強風で飛ぶのは無理ですが、飛べるかどうか微妙な風っぽいかなと思っております。冷たいイメージもあるのでこれに立ち向かうには勇気が要るという印象も与えてくれるので、いい感じだと作者は思っているのです。作者は、思っているのです。(大事な事なので二回言いました)

 それに立ち向かうのは一羽だけです。つまり周りの仲間達は見ているだけ。というかピーチクパーチク囀っているだけです。しかも嘲り。これは勿論「頑張っている者を馬鹿にしているそうでも無い物」という構図です。まあ、現実的に考えて鳥がそんな事思っているとは思えませんので、見ている人間が穿った見方をしているだけでしょう。でも、そう見えるというのは、この視点人物がこの歌の状況に近い所に身を置いているからかもしれません。人は時々、自分と何かを重ねて感傷に浸る生き物なので。

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