第27話 クレオパトラ気取りたち
クレオパトラの生まれ変わりだと言ってはばからない女がいる。
クレオパトラ7世って、こんなにブスだったの?
自己肯定感の高い女は嫌いじゃない。
ただ、限度がある。
ローマからやってくる青い瞳の将軍を、
次々と虜にした女、クレオパトラ。
声が良かったらしい。
話術が長けていたらしい。
もちろん、色香は星よりまぶしかったことだろう。
それなのに、生まれ変わりだと言う彼女は、
声が良くない。
話は人より自分が優れていることと、子どもの自慢話。
色香は、どんなに目を凝らしても、
ない。
ローマからやってくる青い目の将軍ではなくて、
彼女が墜とす男たちは、
濁った眼の豚なのだ。
だけど本人たちは、クレオパトラとシーザー気取り。
まあ、自由だけど。
どう妄想しようと勝手だけど。
あたしこそが本当のクレオパトラ7世の生まれ変わりだから、
悔しいの。
あたしはこの地味な主婦ファッションの下に、
マスクの中に、
クレオパトラの残骸を、
ちゃんと潜めて生きているのよ。
男?
そう、彼こそがシーザーの生まれ変わりなの・・・。
・・・って、言う女がいるのね。
親友のことを馬鹿にしているのよ。
あたしこそが、クレオパトラ7世の生まれ変わりだっていうのに・・・。
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