用語集その3

用語集その3です。第四部と五部をまとめてみましたが、さすがに少なめ……いやいや、この期に及んでまだこんなに新用語が出てくるってどういうことなの。最後まで読んでいただいた方には、こんなに独自用語だらけのお話にお付き合い頂きまして、本当に感謝です。


第四部 天空播種


○《繋がれし者》……《星の彼方》から現れた《原始の民》が乗る移民船を率いてきた精神感応的に《繋がる》人々。銀河系中に開拓者が行き渡って以後はスタージア星系の大半に《繋がり》を広げ、《スタージアン》を名乗るようになる。


○《繋がらぬ者》……《原始の民》の中でも精神感応的に《繋がら》ない人々。《繋がれし者》は移民船のエネルギー節約のために《繋がらぬ者》を産み出し、後にはスタージア以外の惑星開拓を彼らに委ねた。



第五部 ハーヴェスト・レイン


大途絶グランダウン……銀河連邦加盟国タラベルソを襲った突然の連絡途絶事態。既にその数ヶ月前には、複星系国家サカが不意の鎖国状態に陥っていた。その実態は《星の彼方》方面を避けて一万光年を迂回しながら勢力を伸張した《オーグ》による、銀河連邦加盟国の初の併呑である。


○レイハネ……ファイハ家の飼い犬。ウールディより二歳年上の、雌の大柄な牧羊犬。全体的な体毛は白いが、端々は茶色い。幼い頃からウールディと共に在り続けたレイハネは彼女の精神感応力も理解して、互いに生物の種の垣根を超えたパートナーであった。ウールディはレイハネの思念を読み取ることによってヒト以外の生物の思念も自然に捉える術を培い、後にクロージア生態系の思念と対峙する際にも精神的に混乱せずに済むことになる。


○銀河ネットワーク……大途絶グランダウン状態のタラベルソを視察したランプレーが、視察後に唱えた恒星間通信構想。各星系間に膨大な数の通信施設を配備し、直接通信網を築こうというもの。高度かつ柔軟な運用体制と、通信施設の開発生産が肝となる。実態は、タラベルソを訪れたランプレーが《オーグ》の精神干渉によって秘かに授けられた、《オーグ》の他星系併呑のための手段であった。


自律型通信施設レインドロップ……銀河ネットワークの根幹を成す通信施設。高度なプログラムを内蔵したナノマシン流体金属から成り、ミサイル形状時には自力で目的地まで移動し、移動後は雨滴形状に変形して通信機となる。ある程度の大きさのデブリも吸収することでことでメンテナンスも可能という、半恒久的に稼働可能な機械。タラベルソのリーンテール博士の発明とされるが、実際には《オーグ》が開発したものであった。


外縁星系コースト動乱……外縁星系コースト十三カ国による一斉蜂起から、トゥーラン星系の戦い、スタージア星系の戦いを経てトゥーラン自治領成立までの一連の経緯を指す。


○『クソッタレバスタード号』……ラセンがラージより成人祝いとして与えられた小型貨物宇宙船。船名の由来は、ラージからの成人祝いを断ることも出来ないラセンが思わず口にした罵声に基づく。モノフレーム構造に機能別ユニットを組み付けるタイプで、ユニットの種別を組み替えることで様々な用途にあったバリエーションが可能。大邂逅後には第七世界で初めて《星の彼方》=“地球”にたどりついた宇宙船となった。


○『レイハネ号』……ウールディが成人祝いにラージから与えられた小型宇宙船。最新型の自動操縦装置を備えており、操縦士ひとりでも取り回しが可能。実際に操縦するのはユタがほとんどである。船名の由来はウールディの愛犬レイハネより。


○デスタンザ……エルトランザ領の惑星。連邦その他の勢力と隣接する交通の要衝として、銀河系人類社会でも繁栄を極めた惑星の一つ。何度かの支配者の変遷を重ねて、現在はガーク家が代々君臨している。


○“第一~第六の世界”……《オーグ》が宇宙に放った開拓移民団の内、スタージア銀河系人類社会以外に無事開拓移民を成功させて文明社会を築き上げた六つの世界を指す。ただしいずれの世界も精神感応的《繋がり》を保つ、《オーグ》の縮小コピー的な世界として発展した。そのため開拓入植した一星系以外に勢力を伸ばすことはかなわなかった。なおスタージアに端を発する銀河系人類社会は“第七世界セブンス”と呼ばれることになる。


○大邂逅……第一から第七までの世界を併呑した《オーグ》とクロージア生態系との、精神感応的な接触を指す。ヒト以外の思念を把握出来るウールディの精神感応力を通じて、クロージア生態系の京単位に及ぶ膨大な思念と接した《オーグ》は、計算資源がキャパオーバーとなり、N2B細胞の精神感応的通信機能も機能不全に陥った。この結果、《オーグ》が併呑してきた一万光年にわたる人類社会の《繋がり》は全て解けることとなる。人類の星間移動に不可欠なN2B細胞の機能不全による危機を救ったのは、ドリーが開発したオルタネイトであった。


○“地球”……スタージア銀河系人類社会において長らく《星の彼方》と呼び習わされてきた、《オーグ》の母星にして正真正銘の人類発祥の星。

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