第16話 お兄さん猫とおばあちゃんの出会い。



 これはお兄さん猫の冒険記。



 勢いよく家を出た仔猫は街へむかいます。お母さん猫は街までの道を教えてくれました。


 森を抜け、坂を下る途中に木造の家を見つけたら右に曲がりなさい。仔猫は家を見たことがありませんが、お母さんはしっかりと家の話をしてくれたのですぐにわかりました。


 茶色い木造のお家には野菜やお花が並んだ畑があるよ。


「あった!お母さんがいってた家はこれのことだ!土がたくさんにお花がたくさん、これが畑で、この木が積み上がっているのがお家だ。」


仔猫お家に近づくと、おばあさんが出てきました。


「おや、可愛らしいお客さんだね。良かったら家に上がって行かないかい?」


仔猫は二本足で歩く人間が不思議で仕方ありません。



「ニャーオ。ニャーン。ニャーオ。」


「お腹は空いていないかい?ミルクはいかが?昨日牛乳屋さんが売りにきてくれたんだ。」


 おばあさんは牛乳を深いお皿に入れて子猫に与えました。


「ニャーン。ニャー。」


 仔猫は飲み干すと、おばあさんとわかれ街へ向かいました。


 これがお兄さん猫とおばあさんの初めての出会いでした。


 

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