第15話 お兄さん猫の冒険


  それは、まだ仔猫が生まれる前の話。この物語の主人公はまだ小さいお兄さん猫。この日お兄さん猫は1人で冒険に出かけます。



「お母さん!冒険に行ってくるよ!!いいでしょ?!」


「まだだめよ。お前はまだ小さい。」


「平気だよ!僕は男の子だからね、男気ってやつさ!」


「何を言ってるんだい…まったく。お前はお調子者だね。一体、誰に似たんだか…。」


 お母さん猫はため息を一つ。


「いいかい?必ず、日が暮れる前に帰っておいで。約束が守れなかったら…次は無しだよ。いいね?」


「うん!わかった!約束するよ!必ず!必ず、日が暮れるまでに家に帰ってくるよ」仔猫はこたえます。


 お母さん猫は心配でドキドキです。一方、仔猫は初めての冒険に期待でドキドキです。


「じゃあ!行ってくるね、母さん!」


「気をつけるんだよ!!辺りをしっかり見渡すんだよ!怪我をしないようにね!!それから、、」


「大丈夫だって!必ず帰ってくるから!じゃあ!」


 仔猫は母猫の言葉を遮る様に、勢いよく家を飛び出しました。


 これが兄の冒険の始まりです。

 

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