第6話 牛乳とバター



 お砂糖を買いに街に来たおばあさんは購入したお砂糖を2つ受け取ると御礼を言いその場を立ち去ります。


この街ではお砂糖は瓶に入っています


「いやだねえ、歳は取りたくないものだ」


おばあさんはため息をひとつつきながら街中を進みます。


せっかく街に来たのだから何か見ていこうと、おばあさんはどこか嬉しそうです。


「ミャーオ。ミャ〜オ。」



 どこから鳴き声がして辺りを探すと、おばあさんの足元に先程の仔猫がいます。


「おやまあ、あんたついてきたのかい?仕方ないね」


おばあさんは子猫を抱き上げようとしますが、ジタバタ、ジタバタ、と猫は大人しくしてくれません。


「こまったねえ。私は瓶が2つ、まだ買い物は続くよ。あんたを抱き上げるには少し重いね。」


「ミャー。」


「どこからきたんだい?お家に帰りな。お母さんが心配するよ」


 おばあさんは子猫を諦めて歩き出します。


「ミャ〜オ」


 仔猫はおばあさんの後をついていきます


「仕方ないねえ。好きにしなさい。私は今ちょっと忙しいのよ。日が暮れる前に家に帰らないと。森は危険が多いからね。」


それからおばあさんは手芸屋さんで毛糸を2つ、薬屋さんで膝に効く塗り薬を1つ購入しました。


「牛乳やバターも欲しいが、少し重いね。今度にしようかね。」


 少し悩むおばあさんに声をかけてくる店主が居ました。

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