鎌倉陰陽師

時は鎌倉時代、第三代将軍源実朝の御世である。
邪魔な親族を陥れ殺し、誠実な家臣を陥れ殺す。まだまだ、血色が滲み出るこの頃、鎌倉で活躍した陰陽師一族がいた。
陰謀渦巻く鎌倉で、時の権力者が頼ったのは、親族ではなく陰陽師。
なかでも、まだ年若の自然児安倍晴隆は、歴史に残らぬ活躍をする。
白い怪異をものともせず、うつけと呼ばれても伸びやかに鎌倉時代を謳歌する。
そこには、鎖国の江戸時代より伸びやかな世界があった。