第39話 比べる辛さ

「比べる」という意識は、たぶん自分が親になる前から…小さい頃から無意識に強い方だったと思う。

いつも人と自分を比べて自信を無くし、周りの目を気にして動いていた。

自分は右だと思っても、周りの多くが左と言えば、そちらに同じにする…。

自分の意見に自信のない。



そんな私が親となり、また障がいを持つ子の母となり、周りと同じように…がしたくてもできない状況になった。。


いくら母になったとはいえ、根本的な自分の本質は変えられない。



周りの目が非常に気になる

目立つことは嫌い

変な目で見られるのも大嫌い

だから、、周りとなるべく同じように育って…

目立つことしないで…


どこかへ連れて出かけるということは、、とにかく我が子が大変だから…はもちろんだが、自分が周りからの視線の圧力に耐えられないというメンタルの持ち主ゆえに…というのもあった。もしかすると、自分が感じてるほど、周りなんて自分たち親子のことなんて見てないのかとしれないのだけど…


少し話がそれたが、

どこへいっても、心の中では我が子を周りの子どもたちと比べてしまう。


頭では分かっている。

子どもの成長はそれぞれ。

周りの子どもと比べない。

比べたら子どもがかわいそう。

そもそも比べるものではない、我が子の成長を喜ぼう…。


なのに、地域の教室に通いはじめて、お母さんたちとも仲良くなってきて、よく知り合えてきたら、それはそれでそのお母さんたちの子どもの目覚ましい成長が見られたとき、素直に喜べない自分もいた。


表向きは、一緒に喜ぶ。

だけど、それに比べてうちは…と心の中で必ず思ってしまっていた。


頭と心がバラバラなバランスでずっと療育教室に通い、家では子育てをした。


なんで自分は周りの子と比べてしまうんだろう。

こんなに、研修も受けて頭では正しいことはわかってるのに。。

何より、我が子がかわいそうだろうに。。

分かってるのに。。


我が子に、目にみえる大きな成長の実感がないことが全てネガティブなほうへと思考を、変えていっていた。


自分たちだけ置いてきぼりな感覚。

その状態が長引くと、何を言われてもネガティブの沼からなかなか這い上がれない…

そんなアンバランスな精神状態ご、今から思い返せば長かった。


思い返せば…だ。

真っ只中にいる時は、まだ客観的には考えられず、ただひたすら悶々とした日々だった。


教室に通えることは嬉しい。

ありがたい。

と同時に、私には周りと違う我が子の現実としっかり向き合わなければいけない、過酷なものだった。


勝手なものだ。

あれだけ、療育を受ける場所が欲しい

通える場所を…と願っていたのに。

矛盾だらけの毎日…


ちゃんと教室に通えるようになったことは、子どもには良かったしかないが、もしかすると自分にとっては1番辛いことになったのかもしれないな。




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自閉っ子との歩み。 由句 @reyuna

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