第38話 ネガティブからポジティブへ

前と比べると、療育という支援を受けられる数もかなり減ってしまった。

親子だけで過ごす時間がまた増える。

外出はまだまだ勇気がいる。。

一緒に頑張ってきた以前の教室のお母さん仲間は、ほとんど市外の人なのでもう会えない。。

なぜならみんなも私と同じく外出するということは大変なものだから。。

待ち合わせをする…という大したことがないように思えること1つとっても、本当に大変なのだ。

普通は、会って遊ぶという簡単に思える約束は、私たちにとってはハードルが高く、そう軽い気持ちではできないことをよく知っている。

考えればネガティブなことで頭の中がいっぱいになって、どうにかなりそうになった。


でも…


なんだかんだ地元の療育教室に通ううちに、少しずつ私の気持ちに変化があった。

やはり、仲間が近くにいること!

何かあればいつでも会える距離感!

相談できる人が近くにいる!近くに!


これに勝るものはなかった…。


そもそも、ずっと孤独で人とは違う悩みを抱え…どの育児書にも我が子に特化したアドバイスもなく…

その当時、ネットで探す情報は絶望にさせるものばかり。


でも地元の療育教室へ通うようになり…


そこの先生たちが、いつも地域にいてくださることの心強さを知った。

通ってるお母さんたちは我が子よりずっと子どもさんがしっかりしてるように見えてたけど…

よく聞けば、みんなの悩みも、他人には理解してもらいにくい、それぞれ深いものがあることを知った。


うちの子よりマシじゃない…と、心のどこかでいつも感じていた気持ちも、悩みは違えど育てにくさを抱えて深く思い悩んでいることを知り、障がいの種類ではなく、重さではなく、皆同じように子どものことを心配して、なんとかしてやりたい、助けてもらいたい、そんな子どもと向き合おうと必死の人たちなんだ。。

根底は自分と同じなんだ。

みんな心で悲鳴をあげ、助けを求めている。


そう思えるようになった。

教室の回数は少ないのに、あっという間にみんな掛けがいのない仲間になった。


自分だけじゃない。。


孤独から初めて解放された気持ちになった。

やはり地元のパワーはすごい!

なんか少し頑張れそうな気持ちになった。

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