第2話 宇宙人性悪美女に協力して世界を救うことになる

「あら? 丁度良いわ! ちょっとそこの頭悪そうな顔の地底人!」


 ツルハシを指差す美女。


「も、もしやワイのことか?」

「そうよ! アンタ以外いないでしょ地底人! ここは第2地底階層の日本ってエリアの日本橋にっぽんばしって所であってるでしょ? あってるわよね? あってるって言え!」

「び、あってる?」

「ふふん♪ やはりこの天才発明家、この世界で言うIQが5兆4億光年を越え最強美女シャルト・ベリー・ルージュ様の計算式に間違いなかったっということね! じゃあさっそくだけど、頭の悪そうな地底人のお前に指示してあげるわ! 後衛に思いなさい!」


 シャルトは自身の無い胸に手を当て反らして見せた。


「この地球を救う偉大なる英雄の私に、自転車の部品をありったけ全部献上しなさい!」


 決まった……と小声で呟くシャルト。

 呆気に取られていたツルハシだが……


「ああ、わかった……ええで!」

「ホント!? じゃなかった……フフ、当然よね。世界を救う選択肢しかない以上、頭が悪くてもそう答えるしかないものね」

「よっしゃ! そうと決まれば飛び散った部品の回収や! 何がほしいか言うてみ!」

「え、ええ……ここにリストがあるわ! この世界の言語訳してあげるわ!」


 シャルトは紙を差し出しツルハシが眺める。少し読んだ後に彼は笑顔で頷いた。


「何や、うちで全部揃うやん! 足りない分は商品を解体するからそれを使ってや!」

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」


 トントン拍子に進んだ矢先、シャルトが不安な表情を見せる。


「いくらこの地球人類の頭が悪いからって、話を受け入れ過ぎよ! ねぇどうして? バカなの? 少しは疑わないの?」

「え? だって困ってるんやろ?」

「え、ええ、そう確かに困って……いやいやいや! 全然困ってませんから!」

「嘘吐かんでええんやで。何や理由は知らんけど困ってる人は見過ごせへん! ワイに任せとき!」


 やる気満々のツルハシに、頭を押さえるシャルト。


「全く理解できないわ……地底人は全員こうなの?」

「細かい話はええやん! ほんで宇宙人の姉ちゃん、これから何を作るや?」

「聞いて驚きなさい! タイムマシンよ!」

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