【番外編】教エロ! 外道院センセイのコーナー①

【本エピソードは、3章も終わってそろそろ設定がゴチャゴチャしてきたところで、読者の皆様に本作の設定・世界観をいまいちど再確認して頂くための会話劇となっております。

 そんな面倒臭いの読みたくねーよ、なろう作者の自己満足かよ、毎回章ごとに挟まれる主人公のステータス説明とかいらねーんだよ、アレ本当に自己満足以外の何の意味があるんだよ、読むヤツいると思ってんのかよ……とお思いの読者様は、そのまま読み飛ばして次の章に行って頂いて構いません。】



 はーいエブリワン! グーテンモーゲ〜ン♪ みんな大好きマッドサイエンティスト・外道院みさこ17歳で〜す! おいおい!


 今日は成神だの認知だの宝具だの、とっちらかってきちゃった本編の用語や世界観の説明をしていこうと思うよ〜。

 まあ、イキオイだけで進んでるような王道バトルもの崩れのWEB小説に、設定なんて意味あるのか、って思っちゃうんだけど。それはそこ。ハッキリさせてくんなきゃモヤモヤするよって言う読者さんもいるだろうからにゃ。

 バトル漫画の単行本の最初のページとかにあるじゃん、めちゃくちゃ説明とキャラ紹介の書かれたページ。あんなもんだと思ってくれたまえ、うんうん。


 あ、重要なこと言い忘れてた。

 このお話はあくまでもフィクションです。決して深く考えず、テキトーに楽しんでくださいねっ。


 さて、予防線も張り巡らしたところで、さっそく皆様にこのお話の設定をレクチャーするための授業に入っていこーと思うんだけど、その前に〜。

 今回、授業をサポートしてくれる助手2人を紹介しましょ〜う! はい2人とも出てきて〜。


涼「………………」

神奈子「………………」


 ん〜? 元気ないにゃあ。

 ほらほら、ちゃんと挨拶してよー。


涼「挨拶しろって言われても……そもそも、さっきまで寝てたハズなんだが……」


神奈子「なんで私がアナタと仲良く授業なんかしなくちゃいけないのよ」


 む〜。反抗的だなぁ。さっさと進めたいんだからメンドいこと言わないでほしいなぁ。

 成神マンシールチョコ10ダースあげるからさ。とりあえず自己紹介してよ。


神奈子「時任神奈子ときとう かなこです。本作品の主人公で、10年前に死亡していますが、最近、流行中のマンガのキャラ・ブラックセーラーと瓜二つの姿で蘇りました。蘇りの謎を解き明かすため頑張っています!」


涼「……プライドねーのか、あんた」


神奈子「椎橋くんも! 早く自己紹介する!」


涼「……椎橋涼しいばし りょうだ。いちおう俺も本作の主人公らしい。こいつとは中学の同級生で、その名残で委員長って呼んでる。詐欺師で、パチンコとヤニが無ければ生きていけない。……これでいいか」


 聞けば聞くほどカス人間だねー君。


涼「ほっとけ」


 自己紹介ありがとう2人とも! それではさっそく最初の用語解説いってみよーか!



〇『成神ナルカミ

〇『カミガカリ』

説明:

 多くの人々、大衆から人気を得た人間が、科学や物理では説明出来ない特殊能力を得て、身体能力の強化や飛行能力が付与される現象を『カミガカリ』と呼ぶ。

 カミガカリを経た人間は、『成神』という呼び名で人間と区別される。

 現在、日本の総人口1億3000万人に対し、1万人程度の成神がいるとされている。



涼「一番最初の成神は、朝の変身ヒーローの主演俳優だったんだっけ。たしか」


 そーそー。まぁ、多くの人々から人気を集めるってのがカミガカリの最低条件だからにゃ〜。

 老若男女問わずテレビで人気の人間といえば、そういう好感度の高いイケメンくんだよね、ってコトなんじゃよ。


神奈子「……こう説明を聞くと、テレビとか見てなくても誰でも知ってる、総理大臣とかの方が、先にカミガカリしそうなものだけど」


 認知されることも大事だけど、人気……つまり、興味がなくちゃ意味ないのよねん。

 今って、そんなに政治に興味ある人多くないでしょ? 過剰に神格化されたり過剰に貶されたりはするけど、それって一部の人だからねぇ。大衆からの人気、って点ではやっぱ、イケメン俳優くんに軍配が上がるかなー。


神奈子「そういうものなのかしら」


涼「俺も毎日スマホで新聞に目は通してるが、政策やら法案やらに関心はあっても、本人の人となりには全く興味ねーしな。そういうものなんだろ」


 そゆこと〜。んじゃ、次ね。



〇『神業カミワザ

説明:

 その成神だけにしか使えない、固有の特殊能力。

 ほとんどの場合、その成神個人の特徴・性格に応じた能力が開花する。

(例:マジシャンのビンゴ→『ハンド&パワー』

 料理研究家の娘マヤン→『ビストロ・マヤン』)



 まー、これは説明不要かな。

 どのバトル漫画にもある『固有能力』だよ。マルマルの実とか、個性とか、呼吸とか、スタンド能力とかね。


涼「……それはかなり大雑把すぎる括りだと思うが」


神奈子「椎橋くんが成神になったら、どんな神業に目覚めるのかしらね」


涼「お、俺が? あ、いや、もしもの話な?」


神奈子「うーん……人を絶対ダマせる能力、とか」


涼「それ、俺が詐欺師として有名にならなくちゃダメだろ。警察に捕まらずに詐欺師として有名になるって、どんな大悪党だよ」


 椎橋くんの言うとーり。

 どんな成神になるか、どんな神業に目覚めるかは、『大衆の認知』と『自己の認識』によって決定されるからね。

 次はそのへん解説してこー!


神奈子「……なんか。思ってた10倍マトモね」


涼「クレイジーキャラで売ってるように見えて、意外とこういう先生キャラのがやりたいんじゃないか。……知らんけど」



〇『認知』

〇『認識』

説明:

 概ねは一般の辞書に載っているような意味と同一であるが、本作の世界観でこの2つは特別な力を有している。

 『認知』とは、ある対象に対して、周りの人間がっている印象や偏見などのこと。この認知を多くの人々から受け取ることによって、人間は成神に成れる。

 『認識』とは、ある対象に対して、周りの人間及び対象自身がっている印象や偏見などのこと。自分や、自分と近しい人間が、どのように自分のことを認識しているかによって、認知の作用の仕方が変化する。

 この2つのどちらかが欠けると、成神が力を失ったり、成神の力が暴走したりする原因となってしまう。

 これらの事実を知る者は、天秤座・タカマガハラ・TUに所属する成神たちとその他僅かな一般人のみである。



 まー、平べったく言えば。認知は、自分を見る時に周りがかけてる色眼鏡って感じかな。

 んで認識が、自分はこういう人間だ、っていう、自分に対する認知。自分がどんな人間なのかを認め、識る。自己の在り方を決定する、核となる要素と言えるだろうね。


神奈子「私は、自分を時任神奈子だと認識しきれなかったせいで、ブラックセーラーとして暴走してしまったということね」


 そー。ケッキョクはココロの持ちようだからね。不安定な人は、『名前を呼ばれる』ってだけで、認識が乱れるトリガーとなってしまうんだにゃあ。

 ブラックセーラーと呼ばれただけで、ブラックセーラーに成ってしまう。時任神奈子と呼ばれただけで、時任神奈子に戻ってしまう。全く、一度死んでるってのに難儀なカラダを持って生まれ直しちまったもんだねぇ〜! ニュフフ!


神奈子「っとに鼻につくヤツね……」


涼「どちらかが欠けると……ってことだが、逆に言えば、自分は成神だと強く認識……もとい思い込めば、そう成れるものなのか?」


 それは難しいかもね〜。仮にも神になるわけだからさ。まぁ私が宝具の研究を活かしてチョチョイとやれば不可能じゃにゃいかもしれないね!


涼「俺たちからすれば、あんたが一番難儀で面倒な存在なんだよな」



〇『消滅危惧地区』

〇『認知のはこ(供え箱・タカラバコ)』

〇『消滅』

説明:

 消滅とは、文字通りこの世から消えること。

 認知や認識によって、人間離れした能力を得られる成神などの存在がある一方で、人々から認知されなくなった人や物・土地などは、強い認識がなければ消えてしまう。

 人々から忘れ去られ、消滅しかかっている土地や建物のことを消滅危惧地区と呼ぶ。

 消滅危惧地区には、その地の核とも呼べる黄金に燃える立方体・認知の匣が出現し、それを持ち去ることで、消滅危惧地区は完全に消滅してしまう。


神奈子「ん……? 認知の匣?」


 こらこら。本編では君はまだ知らないんだから、反応しないの。

 言ったでしょ〜? このお話はフィクション、本編とは切り離された時間軸です。深く考えずテキトーに楽しんでくださいって。


神奈子「は、はぁ……」


涼「俺と委員長が初めに探索した、玉田中学校も消滅危惧地区だったな。……なんか、グニャングニャンに歪んでたけど」


神奈子「廃パチンコ屋もそうだったわね。消滅危惧地区ってのは、全部ああなの?」


 全部ああだよん。

 誰も、その土地の、現在の正確な姿を認知していない状態だからね。うろ覚えの記憶と偏見で、どこもかしこも、そりゃあもうグニャングニャンに歪んじゃってるってワケ。

 可愛いよねー!


涼「女子は何にでも可愛いって言うからなぁ」


神奈子「この女を『女子』という大きい括りで私と一緒のグループに入れないでくれる」



〇『天秤座』

〇『タカマガハラ』

〇『トレイターズ・ユニオン』

説明:

 作中に登場する組織名。

 天秤座は、成神たちと唯一の人間・椎橋涼によって構成され、消滅危惧地区の保護や宝具のトラブル解決、その他認知の歪みによって引き起こされる怪異を調査するなど、平和を守るため多岐にわたって暗躍する秘密組織である。彼らは認知の匣を供え箱と呼ぶ。

 タカマガハラは、認知の匣をタカラバコと呼び、収集することで何かの目的を実現させようと企む、未だ謎の多い組織である。構成員は全員が成神だとされている。

 トレイターズ・ユニオンは、教祖格である成神数名と多数の人間によって構成される組織、およびノックを神と信じる宗教団体。成神をこの世から消し去り、令和以前の人間の暮らしを取り戻すために活動している。略称TU。

 3組織は表立っていがみ合ってはいないが、目的は互いに異なり、何かの火種があれば抗争に発展しかねない非常に微妙な関係にある。



涼「委員長、言いたいことはあると思うが」


神奈子「はいはい。深く考えずテキトーに、でしょ」


 物わかりが早くて助かるよ〜。

 今後の物語の鍵を握るのは、TUかな。まぁ本編でもまだまだ謎だらけだし、あんま触れないで次いこっか。



〇『宝具』

説明:

 ある物品や土地、事象などの認知・認識が歪曲することによって発生する、異常なアイテム群の総称。

 ほとんどが外道院みさこによって創られるが、まれに、大衆の認知によって自然発生することも。

 その多くが、放置しておくと人に害を成す代物であるため、天秤座は活性化状態の宝具を関知次第、宝多秋秀らの協力を受けて宝具の沈静化にあたる。

 『品物』『生物』『土地』『事象』の4属性に振り分けられる他、外道院によってナンバーが割り振られている。



涼「とうとう出たな。アンタの専門分野」


 とうとう出たね〜! テンション上がるぅ〜!

 ほらほら2人とも、宝具について何か分からないことないの? お姉さんが、今後の本編のネタバレにならない範囲で、なんでも答えてあげようじゃないの!


神奈子「かなり範囲の制限された『なんでも』ね」


涼「宝具について何か分からないこと、と言われても。分かんねーことだらけだよ。そもそもアンタ、なんでこんな物騒なもんをポンポン生み出してんだ?」


 え? 趣味だから。


涼「…………」


神奈子「…………」


 あらら、黙っちゃった。

 もっとないのー? まだまだ喋り足りないんだけどぉ〜。


神奈子「……じゃあ。宝具にはナンバーが割り振られてるらしいけれど……それは、どうやって決めてるの?」


 え? なんとなく。


涼「…………」


神奈子「…………」


 ……また黙っちゃった。

 もう、仕方ないなぁ。まぁ私はもっと宝具のキャワいさだったりエロさだったりを10万字程度は延々と語れちゃうんだけれど、みんなそんなことされたらドン引きしちゃうだろうから。

 『人を殺しかねない不思議アイテム』って感じで捉えといてくれたらいーかな。うん。


 じゃあ最後、いってみよう。



〇『成神闘技』

説明:

 読んで字のごとく、成神同士の格闘技。

 強さを競い合うものではなく、あくまでも、成神の力の源となる人気を高めるためのもので、エキシビション的な意味合いが強い。

 結界の中のフィールドで行われ、一般人を巻き込むというタブー以外は基本的になんでもあり。結界解除後は、建物の破壊などは全て元通りになる。

 成神闘技専門のスポーツ紙が発行されていたり、年末にはスペシャルマッチが生中継されたり、様々なメディア媒体で熱狂的に取り上げられている。



神奈子「あの日街中で見たビンゴさんと萌木さんの戦いは、すごくエキサイティングだったわね」


涼「エキサイティング……まぁ、たしかにいい試合だったよな。終始ビンゴが押してたが」


神奈子「そういえば、成神の中には、刀を使ったりする人もいるみたいだけど。成神闘技で、その……グロテスクなシーンがあったりすると思うんだけど。そういうのは、放送しても大丈夫なの?」


 認知のフィルターがあるからね。

 結界の中に、どれだけ臓物が飛び散ったり首が飛んだりショッキングな光景があったとしても。生中継とかで結界の外からその戦いを見ている人たちには、カメラを通して、マイルドな感じに無理やり変換された光景しか見ることはできないんだよ。


神奈子「はぁ……そんなご都合システムが……」


涼「ご都合システム言うな」


 戦闘シーンで腕ちぎれたりとかグロ描写がある作品でも、格ゲーになった途端マイルドになったりするでしょ? そんな感じだよ。


涼「スマブラで剣使った攻撃しても血は出ねーだろ。そんな感じだよ」


神奈子「……いや、聞けば聞くほどご都合システムだけどね」




 さーて、3章までで紹介すべき用語はこんなところかな?

 君たち、今回のレッスンで、この『令和神話』の世界観はバッチリおさらいできたかにゃ〜?


涼「アンタが終始マトモでびっくりしたが……たしかに、とっちらかった作中用語をスッキリ整理できる、いい講義だったんじゃないか」


神奈子「そうね。4章以降を読んでいて頭がこんがらがってしまったら、このエピソードに戻ってきて、用語解説を参照するのもいいかもしれないわ」


 えぇ。WEB小説読者に、そんなマンドクセー労力を使う胆力があるとは思えないけど。


神奈子「……そういうこと、私たちが言うものじゃないと思うわよ」


涼「そんじゃま、そろそろ締めようぜ」


 そうだね〜。

 さて、ここまで読んでくれた皆さん、お付き合い頂きサンキューベリベリ! 4章以降も面白くなっていく予定らしいから、懲りずに引き続きお付き合い頂けると有難いっす。

 次は5章完結後くらいに第2回授業でお会いしましょう!


涼「え、まだあんのこれ」


 もちろん。ゲストは変えるかもしれないけどね。


 それでは終わりにしましょ〜。今回の御相手は、親愛なる化学の隣人・外道院みさこと?


神奈子「……え、そういう感じで締めるの? と、時任神奈子と」


涼「……椎橋涼の3人でお送りしました。これでいいか?」


 よろしい! それではまたお会いしましょ〜。

 アディオス!

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