匯畏憚-かいいたん- 実話録

43 Hさんのお話⑤イボ神様

Hさんは驚くほどの美肌の持ち主。

白く透き通り、

毛穴の凹凸が一切ない、

誰もが羨む肌であります。

本人に言うとやはり

「そんなことありませんよ。」

と謙遜されるのですが、

近距離で見てもなめらかで、

羨ましく思っていました。

「実は私、昔は肌が悪かったんです。」

思春期であればニキビなどは出来るもの。

てっきりそういった類いかと思いましたが

そうではないとHさんは首を降ります。

「ニキビとかではなくて、

　イボが体に出来たんです。」

Hさんは自身の肌が綺麗になった経緯を教えてくださいました。

正確な歳を聞き忘れてしまいましたが、

彼女がまだ子供だった時のこと。

体にイボがぼつぼつと出来てしまい、

皮膚科に通っていたそうです。

しかし、一つ治ればまた一つと

繰り返し出来るため途方にくれていたのだとか。

そんなある日、

「イボを治してくれる神様がいる。」

そんな噂を聞きつけたお母様と

そこにお参りにいったそうです。

そこには沢山の石がお供えしてあり、

お参りをしたあと石を一つ持って帰りました。

家に戻り、イボを石で擦りながら

「治りますように。」と念じます。

その数日後、なんと、

あれ程悩まされていたイボが

再発することもなく

綺麗さっぱり消え去ってしまいました。

後日、イボ神様にお参りし、

石をお返ししたそうです。

調べてみますと

正確には神様ではなく

別のものが祀られているのですが、

たしかにイボを治してくれると

有名なところでありました。

「イボが無事に治りましたありがとうございます。」

そんな感謝の気持ちが循環する

素敵な場所があるんだなと知って

少しほっこりしました。

この先もその気持ちが巡って継承されていき

イボで悩む方々が助かるといいなと

願うばかりです。