第2話
君と出かけたあの町に行った。
君がいるはずもないのに待ち合わせをした改札で、辺りを見渡してしまった。
でもやっぱり君はそこにはいなくて、まだ自分の中にあなたがいることを知らされた。
あの日のことを思い出した。
僕は二人で会おうなんて誘う勇気がないから、三人でご飯を食べに行く約束をしたね。
待ち合わせ時間の15分前には僕らは着いていた。
改札の前で待つ君に僕はなんだか照れ臭くて話しかけれず、結局待ち合わせの時間にもう一人が来てから君に気づいた振りをしたんだ。
君は僕に「私服オシャレなんですね」って言ったね。
僕は澄ました顔して「そうですかね」って言ったけど、実はあのときは君の私服姿が可愛すぎるから平静なふりをするのが大変だったんだ。
元々食べに行こうとしていた辛い料理はやっぱり食べたら変な顔になるからって言って違うお店に行くことになったね。
結局決断力や男らしさがない僕はお店をろくに決められずにすごいフラフラしたね。
そんな僕にお店に入ってからも君は凄く気を使ってくれて、また君の魅力に触れたんだ。
零れていく日々の中であのときのことは僕は忘れない、忘れられない大切な思い出だ。
ご飯を食べた後に外で三人でずっと話したね。
君と少しでも長くいたいから遅くまで話したね。
あの時には君の存在が僕の中で大きくなって、必死に気持ちを消そうとしたけど消せなくなっていたんだ。
君のことを思い出す @nakamo-book
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