第7話 不毛な努力

 俺は何度も言っているが、恋愛なんて興味などない。あってはならない。

 自分の命があるだけで十分だろ。


「なのにだ、何でまたお前らとお昼を一緒に食さねばならんのだ!」


 そう、今は小苗と冷涼がお昼に弁当をまたうるさく誘ってくるので嫌々一緒に食べている。

 ただ、2日ぐらいは冷涼の奴が大人しい。

 というか、元気がないのほうが正しいのかもしれない。


「いつもならツンデレ全開のお前が、何で大人しいんだよ。調子狂うんだよ、何か話せ。ブラのサイズとか、性癖とか、他の彼氏でもできたとか?、何でも話せ。逆に怖い」 


 本音をぶつけると、はぁとため息をするぐらいで返事がない。

 熱でもあるのかと思い、自分の額を冷涼の額に当て、熱があるかどうかを確認する。


「は!、え!、ちょっと!何やって……」


 また、自分の話を聞かずに殴りかかろうとする冷涼だが、ちょっと待てと言って止まる。


「最近のお前がやけに元気ないから、熱でもあるのかと思って額で確認してたんだろうが!、ぶたれるようなことはしてない」


 私は、額にまだ残っている真の熱を自分の手を当てて確認する。


「きき急にやられたら驚くじゃないバカ!」


 ツンデレが吠えているが気にせず、早めに問題を解決しておこうとする真は質問を切り出す。


「どうした?、話してみろ」


 話したいが話しづらそうな顔をする。

 沈黙が続くが、少しして冷涼が口を開く。


「真は何か私にあったとき助くれる?」


 なぜそんなことを聞いてくるか分からなかったが、即答する。


「絶対に助けない」


 俺は自分の心に従い答えた。


「ありがとう…私はって、

 ちょっと待って今なんて言った!」 


 彼女の驚きはまるで想像していなかったような驚きっぷりだった。


「絶対に助けないと言った。結局自分の問題は自分が片付けるしかない」


 不毛な努力をせず、自分が解決すればいい。

 他人を頼る行為というのは、いざというときにするもんだと自分は思っているからだ。


「もういいわよ。バカ」


 結局理由を話してもらえず、そのまま昼休みが終わってしまうのだった。



















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