第38話 私のお仕事
何故なら、私が答えた言葉によって、相手の表情が一変してしまったのが見えたことで、
私は、とんでもないことを言ってしまったのだと悟ったからです。
そんな状態で、私が固まっていると、突然、抱き寄せられてしまったことで、
身動きが取れなくなってしまったことで、パニックに陥った私でしたが、
そんな時、耳元で囁かれた言葉に背筋が凍るような思いをすることになったのです。
何故なら、その言葉というのが、次のようなものだったからです。
(ようやく見つけたよ、ずっと探してたんだよ、君をね。
でも、中々見つからなくて困ってたんだ。だから、本当に良かったと思っているんだよ?
それに、君に会えたことで確信できたこともあるからね。
やっぱり君は特別な存在だったんだって思うことができただけでも、
ここに来た甲斐はあったと思うんだよね。
まぁそれはそれとして、そろそろ目を覚まして欲しいんだけど、大丈夫そうかな?)
その言葉を聞いた途端、意識が遠のいていくのを感じた私は、このまま死んでしまうの
ではないかと思った程の衝撃を受ける事になったのだが、それを最後に、完全に意識を失ってしまったようでした。
それからどれ位の時間が経過したのかは不明ですが、目を覚ました私の前には、見知らぬ女性が立っていて、
私を見下ろしていたので、慌てて起き上がろうとした所、 身体が動かない事に気付きました。
しかも、それだけではなく、声も出せない状態に陥っていた事が分かったので、
混乱している私に話し掛けてきた女性の言葉を聞いたことで、ますます混乱する羽目になってしまったんですが、
彼女の話を聞いているうちに、何となく状況が掴めてくるようになったところで、
ある質問をしてみたところ、あっさりと答えてくれました。
「貴方は誰ですか?」
と聞いてみましたら、
「私はこの図書館の主である者です」
そう答えた上で、続けてこう言ってきたんです。
「貴方にお願いしたい事があるんですが、聞いてくれますか?」
と言ってきたので、素直に頷く事にしたんですが、
その直後、彼女から意外な話を聞かされる事になったんです。
実は、彼女が言うには、この図書館は元は別の場所にあったそうなんですが、
ある日を境にして、突如として消え去ってしまったそうです。
しかし、不思議なことに、書物庫や図書館といった場所にだけは、
大勢の人々が集まっていたそうなので、人々はこの場所に集まって来たという訳なんです。
しかしながら、その中には、あまり読書に興味のない人々も混じっていたようで、
そういった人達がこの場所を去って行く際に、一つだけ重要な事を忘れていたらしいんです。
「それは何だと思いますか?」
その問いに即答した私は、即座に答えを返したんですが、
その答えを聞いた彼女は、満足そうに頷いた後で、話を続けてくれたんです。
曰く、この図書館に来た者は、必ず何かを探し求めて来ることになっているのだそうで、
その為、様々な本が置かれているだけでなく、資料室と呼ばれる部屋も存在するのだという事を知りました。
また、この場所で見つかった情報などは、全て保管されていて、
必要に応じて誰でも閲覧できるようになっているという話を聞いた時には、とても興味深そうに聞いていました。
その後、一通りの説明を受けた後で、私に何をさせたいのかという話になりましたが、
正直言って、私には何の事なのかさっぱり分からずにいた為、詳しい説明を求めた所、
予想外の返答を受ける事になったので驚きました。
というのも、私の仕事は、この図書館の管理を行う事であり、同時に、
この場所を訪れる人々の悩みを聞いてあげて欲しいと言われたからです。
それを聞いて困惑した私が黙り込んでいると、心配になった様子の彼女に声を掛けられたことで我に返りましたが、
すぐに冷静を取り戻すことが出来たので安心しました。
そうすると、それを見た彼女が微笑んでくれたので、私もつられて笑ってしまいました。
その後は、お互いに笑顔を見せ合った後で別れることになったのですが、
別れた直後に聞こえてきた足音に対して振り返ると、そこには誰もいませんでした。
そのことに首を傾げながらも歩き始めた私は、取り敢えず、
自分がこれからすべきことを考えてみることにしました。
その結果、最初に思いついたのは、先程の話に出てきた人々の悩みを聞くことでしたが、
どうすれば良いのかが全く分からない状態だった為に困り果ててしまいました。
そんな時に思い出したのは、先程出会ったばかりの女性のことでした。
そこで私は、思い切って彼女に相談する事に決めたのですが、
どうやって会いに行けば良いのか分からない状況だったので困っていた所で、
不意に聞こえてきた声に気付いた私は、周囲を見回してみたのですが、
やはり誰もいなかったので、不思議に思っていた所で、再び声が聞こえてきたと思ったら、
今度は目の前に現れた男性の姿がありました。
彼は、私に向かってこう言ったんです。
「君が噂の新人さんかな?」
と問い掛けられたことで、咄嗟に頷くと、嬉しそうな表情を浮かべながら話し始めた彼に、
自己紹介されたことで名前を知ることが出来た後、早速本題に入ることになったのですが、
その内容というのが、彼の仕事に関することだったようです。
何でも、私がこれから働くことになる場所の責任者であるということを知った時は、
驚いたというより感動していた位でした。
そして、彼が口にした一言によって、更なる衝撃を受けることになった私は、
しばらくの間固まってしまった後で、思わず叫んでしまいそうになったところで
口を塞がれたことによって正気に戻ることが出来たことで安堵しましたが、
それでもまだ動悸が激しくなっていることに気付いている内に、次の質問を投げかけられていました。
その内容というのが、私が担当する事になった役割についての説明だったのですが、
簡単にまとめると以下のような感じになります。
まず最初に言っておく必要があるのは、私が配属されることになった場所は、
他でもないあの図書館だったということです。
つまり、今まで働いていた職場よりも待遇が良く、働きやすい環境が用意されているということでした。
それに加え、蔵書数が桁違いに多く、ジャンルごとに分類されているだけではなく、
テーマ別に分けられているという点についても魅力的でした。
何よりも、無料で利用することが出来る上に、貸し出し手続きが不要だということを知った時、
思わず興奮してしまったのですが、そんな私に向かって微笑みながら頷いてくれたことで
恥ずかしさが込み上げてきたものの、それ以上に喜びの方が勝っていたこともあり、
自然と笑みが溢れていました。
そうすると、その様子を見ていた彼も、嬉しそうに笑ってくれたことで緊張が
解けると共に安心感を抱くことが出来ていたので、 一安心した所で話は終わりました。
それから暫くの間雑談をしていた私達は、頃合いを見て解散することになったのですが、
帰り際に呼び止められたことで振り向くと、彼から一枚の封筒を手渡されました。
何だろうと思って見てみると、中には数枚のお札が入っていることが分かったのですが、
それが何なのかを理解するよりも先に手渡されたことで、戸惑ってしまった結果、
無言のまま受け取ることしか出来なかったことを申し訳なく思っていると、
苦笑しながら謝ってきた彼を見たことで、何だか申し訳ない気持ちになってきました。
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