第26話 二人きり
「うぅ、好きぃ~!」
思わず抱きついてしまった私は、そのまま唇を重ねようとしましたが、
寸前のところで止められてしまいました。
「朋絵は本当に甘えん坊さんだね」
そう言って頭を撫でてくれた彼の手つきはとても優しくて、
それだけで幸せな気分になれましたけれど、同時に物足りなさを感じてしまった私は、
自分から彼の唇を奪おうと試みましたが、結果は惨敗に終わりました。
(やっぱりダメかぁ……)
落胆する私でしたが、そんな彼が突然こんなことを言い出したのです。
「まったく仕方ない子だなぁ、そんなにして欲しいならしてあげなくもないけど、
その代わり覚悟しておくんだよ?」
その言葉の意味を理解できないまま戸惑っていると、
突然押し倒された上に組み伏せられてしまったことで身動きが取れなくなってしまいました。
困惑しながらも必死に抵抗しようと試みたもののビクともせず、
すっかり怯えてしまっていた私の耳元で囁くように囁いてきた彼の言葉を聞いた瞬間、
背筋がゾクッとするのを感じた私は恐怖のあまり震えていましたが、
それと同時に何故か身体の奥底から湧き上がってくるような不思議な感覚を覚えてしまい、
頭がボーッとしてきたところで再び彼に名前を呼ばれたことで我に返った私が慌てて返事をすると、
彼は微笑みながらこう言ってきました。
「好きだよ、朋絵」
その言葉を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になった私は何も考えられずに黙り込んでしまったのですが、
しばらくすると彼が再びキスをしてきたので、それに応えるようにして舌を絡め合わせると、
お互いを求め合うかのように激しく求め合った末に快感を迎えると、そのまま意識を失ってしまいました。
(あぁ、幸せだなぁ……)
その後、目が覚めると隣には彼の姿があったので嬉しくなりました。
しかし、そんな余韻に浸っている暇もなく彼からの呼び出しを受けて向かった先は寝室でした。
そこで待っていた彼は下着姿になっており、それを見た私は驚きのあまり言葉を失いましたが、
そんな彼から発せられた言葉は更に私を驚かせるものでした。
「朋絵、悪いが今日も抱いてもいいかな?」
突然の申し出に戸惑う私でしたが、彼が真剣な眼差しを向けてくるものですから、
断るわけにもいかず承諾することにしました。
(うぅ、緊張するなぁ……)
恐る恐るという感じでベッドに乗り込んだ私を優しく迎え入れてくれた彼は、私の服を脱がせていきました。
下着姿にされてしまった私が恥ずかしさのあまり俯くと、それを見た彼はクスリと笑いながら私に声をかけてきました。
「可愛いよ」
そう言ってキスをしてくれましたので、嬉しくなった私は自分からも積極的に舌を絡め合わせていきました。
次第に興奮してきてしまった私たちは互いに見つめ合った後で再びキスを交わしながら求め合いました。
それからしばらくして満足した後、しばらくの間余韻に浸っていたのですが、
その間ずっと抱きしめられていたこともあってとても幸せな気分になれました。
(あぁ~幸せだなぁ~)
そんなことを考えながらウトウトしていると、突然彼に起こされたので驚いてしまいましたけど、
どうやら朝食の時間になったみたいですので急いで着替えるとキッチンへ向かいました。
その後、朝食を食べた後は、仕事へ行く前にイチャイチャすることになってしまいました。
最初は軽いキスから始まったのですが、徐々に舌を絡めるような濃厚な口付けへと変わっていき、
やがて互いに求め合うようになっていきました。
「んっ、ちゅっ、はぁ、ちゅるっ」
舌と舌が絡み合う音が頭の中で響き渡る中、私は夢中で彼を求めていました。
「んんっ、ちゅっ、はぁ、んんっ」
しばらくの間、口付けをしていた私達は、 息苦しくなったことで口を離すと、
どちらからともなく舌を絡め合うことにしたのです。
「んんっ、んふっ、はっ、んんんぅ~」
お互いに夢中で求め合っている間もずっと抱き締められていて、
それがとても嬉しくて幸せだと感じていた私がいた。
しかし、キスだけでは物足りなくなってしまっていた私は、
無意識のうちに彼に腰を押しつけてしまっていたみたいで、
それに気づいた彼が妖艶に微笑みながら問いかけてきた。
「朋絵、どうしたんだい? そんなに興奮して」
そんな彼の言葉を聞いた途端、自分が何をしていたかに気づいた私は恥ずかしくて俯いてしまっていましたが、
それでも彼のことを求めてしまっている自分がいることに気づいていました。(
うぅ、私ったらなんて恥ずかしいことを……)
恥ずかしさのあまり涙目になってしまった私のことを抱き寄せた彼は、
優しく慰めてくれた上にキスまでしてくれたのです。
(あぁ、幸せだなぁ)
そう思いながら彼の腕の中で悶えていました。
その後、しばらくの間、イチャイチャを続けながら過ごしていたんですが、
ふと何かを思い出したらしい彼が私に話しかけてきたのですが、その内容は予想外でした。
曰く、今度デートに連れて行ってくれるそうです。
そんな嬉しい話を聞いた私は舞い上がってしまうほどで、
思わず彼を抱きしめてしまうくらい喜んでしまいました。
そして、デート当日になり、 待ち合わせ場所で待っていると、彼が現れたのです。
(やった~! やっと二人きりになれたよぉ~)
嬉しくて飛びついてしまった私ですが、それでも優しく受け止めてくれましたし、
そのままキスまでしてもらいました。
しかも、今日のためということでわざわざおめかししてきたらしいのですが、
その姿を見た私は見惚れてしまいました。
だって、普段とは違う格好をしていて、とっても可愛かったですし綺麗だったんですから!
それに色っぽさも感じられて思わずドキッとしましたね~!
(あぁ、かっこいいなぁ~)
そんな彼の姿を見てドキドキしていた私は無意識のうちに見入ってしまっていましたが、
そんな視線に気づいた彼は私に声をかけてきました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます