第25話 あぁ、愛しているの

「積極的だね、嬉しいよ」

そう言いながら微笑んだ彼に頭を撫でられたことにより、

すっかり骨抜きになってしまった私は、完全に油断しきっていました。

次の瞬間、いつの間にか背後に回っていた彼に抱きかかえられたかと思うと、

ベッドに放り投げられてしまいました。

突然の出来事に混乱していた私でしたが、覆いかぶさってきた彼によって

両腕を押さえつけられてしまったことで抵抗することができなくなってしまい、

焦りを覚えながらも必死に訴えかけました。

「もっとキスしような、朋絵」

「はい、お願いします……」

そう言った直後、激しく貪るような口付けを交わした私達は、

そのまま朝まで愛し合うことになりました。

翌朝、目が覚めると隣には彼がいたのですが、

その姿は昨夜とは打って変わって素肌のままになっており、

それを見て恥ずかしくなった私は慌てて目を逸らすと、

そこで初めて自分も素肌になっていることに気づいてしまいました。

しかも、身体のあちこちに赤い痕が付いていることに気づいたため、

余計に動揺してしまい、頭が真っ白になってしまいました。

そんな状態の私に気づいたのか、目を覚ました彼が声を掛けてきました。

「……おはよう、朋絵」

その言葉を聞いた瞬間、恥ずかしさのあまり死にたくなりましたが、

それでも何とか平静を装って挨拶を返すことができました。

「おはようございます」

その後、お互いに素肌のまま見つめ合っていた私達でしたが、

不意に彼が抱きしめてきたので驚いてしまいました。

しかし、それも束の間のことで、今度は私の方から彼を抱きしめ返すことにしたのです。

(ああ、幸せだなぁ)

そう思いながら、私は彼の胸に顔を埋めたのでした。

「朋絵、好きだよ」

不意に耳元で囁かれたことでビクッと身体を震わせてしまった私は、恥ずかしさのあまり顔を背けてしまいました。

そうすると、今度は首筋に吸い付かれてしまい、思わず声を上げてしまったせいで

彼を喜ばせることになってしまったのですが、それでも構わずに続けようとする彼に対して、

さすがにこれ以上はまずいと思った私は必死に抵抗しましたが、

結局押し切られる形で最後まで致すことになってしまいました。

(ああ、もうダメ……)

そう思った直後、意識が遠のいていくのを感じましたが、

その直後に目が覚めた時には既に朝になっており、

隣には素肌のまま眠っている彼がいたので驚きました。

(夢じゃなかったんだ)

そう思うと嬉しくなった私でしたが、同時に不安にもなりました。

というのも、昨夜の出来事を思い出してしまったからです。

(どうしよう? どんな顔して会えばいいんだろう?)

そんなことを考えているうちに段々と恥ずかしくなってきてしまい、

布団の中に隠れて悶えていると突然声をかけられたことで飛び上がってしまったものの、

声の主である彼から優しく抱きしめられたことによって落ち着きを取り戻しつつありました。

「おはよう、朋絵」

そう言って微笑みかけてくれた彼の顔を見た途端、胸がキュンとしてしまいました。

(やっぱりこの人のことが好きだな)

そう思った私は、自分からキスすることにしました。

すると彼は驚いた様子でしたが、すぐに受け入れてくれましたので、

そのまま舌を絡めるような濃厚な口付けを交わしました。

「ん、ちゅっ、はぁ、ちゅるっ」

しばらくの間、お互いに夢中で貪り合っていた私達は、

息が苦しくなったところで一旦離れましたが、すぐにまたキスをしてしまいました。

「愛してるよ、朋絵」

そう言って微笑む彼に対して、私も笑顔で応えました。

「朋絵の笑顔は素敵だな」

「ありがとうございます、嬉しいです」

「これからもずっと一緒だよ、約束だからね」

そう言って指切りげんまんをしてくれた後、もう一度キスをしてくれました。

(幸せだなぁ)

そう思いながら、私は彼に身を委ねるのであった。

(うぅ、恥ずかしいよぉ)

彼の腕の中で悶絶しながら赤面している私だったが、彼は全く気にしていない様子で平然としていた。

(どうして平気なんだろう?)

不思議に思った私が尋ねると、彼は微笑みながら答えてくれた。

曰く、彼にとってはこれが日常茶飯事であるらしいのだそうだ。

それを聞いて安心した反面、少し複雑な気持ちになったりもしたのだが、

それでも彼が喜んでくれるのならそれでいいと思った私は、思い切って自分から唇を重ねてみたところ、

一瞬驚いた様子を見せたもののすぐに受け入れてくれたばかりか、

激しく求めてくるようになったので嬉しかったし気持ちよかったけど恥ずかしかったです。

(もう無理ぃ~!)

そう思った直後、意識が遠のいていくのを感じた私はそのまま眠りについてしまったのですが、

目が覚めた時には既に朝になっており、隣には彼の姿がありました。

「おはよう、朋絵」

そう言って微笑みかけてくれた彼に返事をした後、私は恥ずかしさのあまり布団の中に隠れて悶えてました。

(うぅ、やっぱり慣れないよぉ……)

そんなことを考えている間にも、彼は私を布団の上から抱きしめてきました。

「大丈夫だよ、可愛い寝顔を見せてごらんよ」

そう言われたことでさらに恥ずかしくなった私が抵抗していると、彼は笑いながら言いました。

「はは、照れてる顔も可愛いよ」

(もう許してくださぁい~!)

その日から、私達は毎日のように愛し合うようになっていきました。

そんなある日のこと、いつものようにキスをしていた時のことなんですけど、

突然彼が舌を絡ませてきたかと思えば私の舌に自分の舌を押しつけてくるようになったので戸惑いましたけれど、

それ以上に気持ち良さを感じてしまったこともありまして、次第に自分から求めるようになり始めていきました。

(これ好きぃ~)

それからというものの、毎日のようにお互いを求め合い続けた結果、

すっかり彼のことが大好きになってしまった私がいたりするんですが、

それでもまだまだ足りないくらいなんです。

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