第26話 帝都 ベルガル

「でけぇ・・・」


哲人が始めて帝都ベルガルを見た極めて率直な感想だ でかいとにかくでかい

まず遠目に着くのはトルガルドのような城壁

トルガルドと違う点はトルガルドの20mの壁が一重だったのに対して

こちらは三重構造だということだ

・・・進撃の○人? ウォール○リア?

凄いや!壁はほんとにあったんだ!

門を潜り帝都に入ってからしばらくは空いた口は塞がらなかった

そのまま三つの門を潜り抜け馬車は進む

窓から見える帝都の絢爛豪華な街

これぞまさしくファンタジーといった感じだ


「凄いじゃろう 哲人」


「うん 凄いね フィル」


日本の東京とか大阪とはまた違う美しさ

白を基調とした街でそれ故に伝わってくる美しさ この帝都そのものが世界遺産と言われてもなんら疑問も抱かずに納得するだろう


「綺麗な白だね これ維持管理がすさまじく大変な気が・・・」


「そこは清潔魔法で解決できるのじゃ」


「なんか 実用的だね」


「? 魔法とは元々実用性重視であろう?」


「・・・」


魔法ってもっと高価なイメージあったけど

違うらしい

そのまま進んでいき


「ついたのじゃ! ここが皇帝が住まう館

皇居なのじゃ!」


「・・・美しい」


白を基調としたデザインだが絢爛豪華な装飾品はあまりないシンプルな作り それ故に建物自体が威厳を放っている


「さて 哲人 今から皇帝陛下と謁見を行う

準備はよいな?」


生唾を呑み込む

緊張してきた 礼儀礼節はアルフさんから習ったが果たしてうまくやれるだろうか・・・

俯き石畳を見る

視線を感じ顔を上げると

フィルも視線があって


「付いて来いマイナイト我が騎士


その一言でなんとちょろいことか

騎士と言われただけで顔の筋肉がほぐれる


「了解 我が主マイマスター


フィルの小さくも頼もしい背中を追う

なんだ俺は騎士になったのだから

フィルの隣を歩けると勘違いしていた

恥ずかしい たった2日頑張っただけで

蒼眼の英雄などと言われてしまって

錯覚して隣を歩けると

まだまだ フィルの英雄ヒーローには

ならなてないらしい

だが必ず追いついて見せるという

決意とともにフィルに続いて歩き始めた


・・・


皇居の中もとにかく白だった

暫く廊下を歩けば

こちらでお召し物をと言われたので

あえなく連行された

着替え終われば大きい鏡のある部屋に連行され

こちらで殿下をお待ちください

とのことなので鏡で自分の格好を確認

黒を基調とした軍服だった

銀英○といえばいいのだろうか

似合わないなぁと思いながら

待つこと30分


「疲れたのじゃぁ」


「フィル お疲れ・・・っ!」


扉から現れたのは天使か?

フィルは着飾るのがあまり好きではない

普段は白のワンピースというシンプルな格好で済ませるのがほとんど

だが 今日のフィルは一味も二味も違った

黒を基調としたドレスに青薔薇のドラマスティックグリップをつけている

いつものフィルは可愛いだ

今日のフィルは美しい

・・・あとエロい


「ど どうじゃ 哲人?」


ここは気の利いた言葉を


「もちろん とっても 美「ドンッ おい!

酒はどこだ! 」・・・え?」


掛けようとしたところ謎のおっさんが乱入してきた フィルは頭を抱えており


「何をしているのじゃ 父上 いや皇帝陛下」


衝撃的な事実を口にした

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蒼眼の英雄の異世界譚 ~平凡な少年は眼の力で少女の願いを叶える~ 山田太朗丸 @taroumaru1941

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