弐話 

暗黒格闘技男団体より、強制的に"男サンド"へ参加させられた

TAKESHIであったが……。


彼は物凄い上り坂の曲がりくねった道をひたすら走り、

とある温泉街へと来ていた。


「まだあと200キロほどあるが……少し飯を食べていくか」


「KAWAJI温泉……?」


その時!

彼の背後に何者かの殺気が突き刺さった。

その 何か は物凄いスピードで回転しながら、

イケメン後頭部へと飛び蹴りを入れようとする。


ガッ


「何者だ。私を殺そうとするなら、その緩やかな蹴りでは

一生かかっても不可能ということだぞ……」


バキッ


ノールックで蹴りを止め、さらに足首を掴んでへし折った。


「フッ……さ、さすがはTAKESHIよ。この俺様の音速蹴りが

全く通用すらせんとは……し、しかしその程度では

BOSSはおろか、男サンドの出場者にすら到底及ばん……ガハッ」


さらにノールックで(ノールック好きだな…)左手の肘打ちをぶちこみ、

その何かは……地面に崩れ落ち、かなりの量の吐血をし絶命した。


「な、なにぃ~! 猿だったというのか……。

ただの猿にしてこの蹴りの威力。やはり暗黒格闘団体、そして

男サンドを侮ってはいけない……」


TAKESHIが猿に襲われた付近より少し歩き、

大きな川に大きな橋がかかっている場所を通過したのち

小さな温泉へとたどり着いた。


「よし、ここで筋肉疲労を回復させ、さらにじゃ○りこを

たらふく食べていこう……汗を流すと悪性男性ホルモンも

排出できるしな……」


番台で500円を払い、小さいながらもなめらかな泉質の

"薬湯"と呼ばれるそこへと飛び入っていった。


他の客は老人しかいなかったが、彼の凄まじい超肉体に

みな心を奪われていたという……。


「こんなことをしている暇はないのだが、疲労を回復せねば

男サンドの猛者たちに勝てるわけがない……」


「よう! なかなかのテストステロンを持っているな」


突然! 超美形で長身の色男が、仁王立ちで前も隠さず

TAKESHIに話しかけてきた。

地毛の金髪に、にやりと笑うニヒル・スマイルがにくい。


「おいおい~、お前さん、さっきからオレの村田連発銃を

凝視しすぎじゃあないか? ハッハッハ」


「き、キミが隠そうともせず見せつけるからだろう!

しかし、その肉体……只者じゃあないな」


そう言われると金髪の彼は、上腕二頭筋を見せつけながら

マッスルポーズをした。


「わかるかい? これでも格闘家だからな。みたところ

お前さんも格闘技をやっていそうだな」


「まあね……とある大会に招待されてしまってな」


「奇遇だな。オレも格闘大会に参加する道中でね!

いつか戦うことになるかもな。お前、名前は?」


二人は勢いよく温泉から立ち上がると、筋肉を一番見せつけられる

角度で腕組みをし、にやりと笑いあった。


「TAKESHI。覚えておいてくれ」


「TAKESHIか! オレの名はフランソワ。フランちゃんと呼んでくれ」


「いや、それはちょっと……普通にフランソワと呼ぶぜ」


「だったらオレもお前さんのことを兄貴と呼ばせてもらおう」


「な、なぜ?」


TAKESHIがそう尋ねると、金髪の彼は下半身のほうを見つめながら


「兄貴の44マグナムに比べたら、オレのは九九式単小銃にしか

見えないからさ……」


「なっ……」


筋肉質な後ろ姿とプリケツを見せつけながら、金髪の彼は

去っていった。


「フランソワ、かなりの使い手と見た……。いずれBATTLEする

ことになれば、どちらかが……そうはなりたくないものだ」


「あんなイケメンゴリマッチョが仲間なら心強いが……」


なんて考え込んでいたら、TAKESHIは半端じゃないのぼせ方を

してしまった。


もうやっていない食堂のところで少し横になり、休憩した後、

温泉施設を後にしたのだった。



「フッ、TAKESHI。肉体の作り方にこそ甘さは残るが、

彼奴の男的素質……中々のものよ」


岩盤の影より彼を見つめる者!?

監視されている!!

敵なのか、味方なのか……男サンドとの関係は?



つづく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

わっしょい男サンド ~男(おのこ)たち、千年の戦い~ @loli-kon999

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ